2019年02月08日

「キャンティ物語」野地秩嘉

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1960年飯倉に開店したイタリアンレストラン『キャンティ』。
三島由紀夫安部公房といった作家たち、作曲家の黛敏郎、團伊玖磨、映画監督の黒澤明、芸能人では加賀まりこ、かまやつひろし、萩原健一、安井かずみなど、錚々たるメンバーが集まる店でした。
その後も現在に至るまでいろんな有名人が贔屓にしているようです。
オーナーは川添浩史。梶子夫妻。
皆オーナー夫妻を慕い、そしてこの店にくれば誰か顔見知りがいるということでホームパーティーのように賑わったようです。
そんなオーナー夫妻や常連客達について書かれた一冊。
タイトルは「キャンティ物語」ですが、それほど深く「キャンティ」という店について書かれているわけではありません。
どちらかといえばオーナーの「川添浩史物語」というタイトルのほうが内容には合っているかもしれませんね。
もしくは「キャンティとその時代」とか。
昭和のいい時代だったという雰囲気があります。
私が今までに読んだ本でもいろんな人がこの店について書いておられます。
見城徹林真理子島崎今日子など。
オーナー夫妻はもう亡くなっておられますが、店は現在も営業しています。
さすがに当時のような有名人の社交場といった雰囲気ではないようですが。
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2019年01月25日

「言葉尻とらえ隊」能町みね子

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ニュース、新聞、ネットなどで見聞きした“引っかかった”言葉を捉え、「それってどうなの」とツッコミを入れたコラム集です。
まあ、あげ足取りです。(笑)
でも確かにそういうのってありますよねぇ。
例えばなにか事件を起こした犯人が「むしゃくしゃしてやった」と述べることについて。
「むしゃくしゃ」なんて言葉を使うかと著者は指摘します。
普通なら「むかついてやった」とか言うんじゃないかと。
これ、本当に犯人がそのような言葉を口にしたのか?
もしそうだとすればこれはもう事情聴取されるときの定番用語ですね。
「オフクロの味といえば?」という質問に「肉じゃが」と答えるようなものです。
スポーツ選手がインタビューされて、やたら「ハイ」という言葉を使うのも著者は気になるようです。
「・・・・ですね。ハイ」てな具合に。
私が気になるのはむしろ頭に「そうですね」という言葉を付けることです。
これ、よく聞いてますとスポーツ選手に限らず皆さんかなりの確率で使ってますよ。
「ハイ」よりも私はこちらのほうが以前から気になっていました。
インタビューで質問を受けると必ず頭に「そうですね」と付けて本題に入る。
いったいなにがそうなんだとツッコミを入れたくなります。
まあ皆さんいろんな発言をなさいます。
おそらく著者もそうなんでしょうけど、言葉にちょっとフェチなところがあると日常のいろんな言い回しが引っかかってくるんですよね。
私の場合、最近なら「ハンパない」とか。
それさえも略して「パない」とか。
そのような言葉を聞くとほんとむしゃくしゃ、いや、むかつきます。(笑)
ラベル:エッセイ
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2018年10月14日

「下読み男子と投稿女子 ~優しい空が見た、内気な海の話。」野村美月

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風谷青はラノベが大好きな男子高校生です。
実はラノベの新人賞の下読みのアルバイトをしています。
ある日、青は応募作の中にクラスメートである氷ノ宮氷雪の作品を見つけます。
クラスの誰とも口をきかない“氷の淑女”と呼ばれているクールな美少女です。
しかしそんな外見とは裏腹に、作品の内容は顔文字やフォント変えを駆使したハチャメチャな小説です。
『しましまパンツ \(@^0^@)/』なんて文章も。
えっ、あの氷ノ宮さんがこんな小説を!?
驚く青。
しかしその後青は氷雪に小説のアドバイスをすることになります。
目指すは『一次選考通過!』・・・・。
サブタイトルにもあるように、ラノベの下読みをしている男子と投稿をしている女子の物語です。
面白い設定ですね。
2人で投稿作を作り上げていくわけですが、もちろんその過程には少しずつ恋愛感情も芽生えてきて。
投稿作内のキャラ設定やストーリーがそのままこの2人の心情に当てはまりつつ、しかもこの小説の構成自体にも当てはまるというメタ小説的な作品です。
上手いなぁ。
まあベタといえばベタではあるんでしょうけど。
しかしクサさを感じさせず実に爽やかに微笑ましく読ませてくれます。
感動しました。
この作者の他の作品(文学少女シリーズ)もぜひ読んでみたいと思います。
ラベル:小説
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2018年05月17日

「きらめくジャンクフード」野中柊

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作家によるジャンクフードを題材にした食エッセイ。
ですが、必ずしも一般的にいわれているジャンクフードだけではありません。
著者もあとがきで書いておられますけども、「これもジャンクフード?」と首をかしげる人もいるだろうと。
例えば、トムヤムクン、おにぎり、たまご焼き、おせち料理・・・・。
たしかにそれらをジャンクフードというのはどうなのよと。
おせち料理なんか特に。
でも著者がこの本でいうジャンクフードとは、色とりどりの雑多な楽しいもの、といったイメージとのこと。
まあ楽しいということでいえば堅苦しい料理よりもこの本で取り上げられているような食べ物ということになるでしょうね。
アイスクリーム、サンドイッチ、クラムチャウダー、オムライス、コロッケ、シーザーサラダ、かき氷、おでん・・・・。
身近な食べ物ばかりです。
そして誰もがそれぞれにエピソードや思い出を持っているような。
美食の本もいいですが、やはりこのようなのが普段着感覚で馴染めます。
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2018年01月15日

「くすぶれ! モテない系」能町みね子

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モテない系とはなんぞや。
著者曰く、「100%モテないわけじゃない、彼氏やダンナがいることもある、でも『モテないオーラ』がモワモワとにじみ出ている・・・・」という女子のことだそうです。
でまあ、いろいろとモテない系の見た目やら言動について書いておられるわけですが。
こういうのを読んで系列として連想するのは、やはり酒井順子の「負け犬の遠吠え」や雨宮まみの「女子をこじらせて」ですね。
なんですけど、どうもそれらに比べると印象が薄いといいますかピントがぼやけているといいますか。
やはりコンセプトがいまいち明確ではないんじゃないでしょうか。
モテない系というわりには「彼氏やダンナがいることもある」と定義しておられるあたり、それですでにぼやけてしまっています。
「モテない」ではなくあくまで「モテない系」なんだとの言い分があるんでしょうけど。
で、著者がイメージしているのは具体的にはどういう女性たちなのかといいますと、「いわゆる文科系女子だとかサブカル系女子だとかいう人々に当たるでしょう」と。
これもまた曖昧といいますか浅いといいますか。
「CanCam」とか「JJ」とかの系統をモテ系と定義しておられ、その正反対のベクトルとしてそれらの人たちをモテない系と定義しておられるようです。
そのあたりも詰めが甘い。
著者の中ではそうなのかもしれませんが、もひとつ説得力に欠けます。
まあ露骨にモテない女なんてのをジャンル的に定義するとそれこそ差別にもなりかねませんので(笑)、このあたりが無難な落としどころなのかもしれませんが。
著者の意気込みはわかるのですが、どうも空回りで終わってしまってますね。
ラベル:エッセイ
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