2018年10月14日

「下読み男子と投稿女子 ~優しい空が見た、内気な海の話。」野村美月

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風谷青はラノベが大好きな男子高校生です。
実はラノベの新人賞の下読みのアルバイトをしています。
ある日、青は応募作の中にクラスメートである氷ノ宮氷雪の作品を見つけます。
クラスの誰とも口をきかない“氷の淑女”と呼ばれているクールな美少女です。
しかしそんな外見とは裏腹に、作品の内容は顔文字やフォント変えを駆使したハチャメチャな小説です。
『しましまパンツ \(@^0^@)/』なんて文章も。
えっ、あの氷ノ宮さんがこんな小説を!?
驚く青。
しかしその後青は氷雪に小説のアドバイスをすることになります。
目指すは『一次選考通過!』・・・・。
サブタイトルにもあるように、ラノベの下読みをしている男子と投稿をしている女子の物語です。
面白い設定ですね。
2人で投稿作を作り上げていくわけですが、もちろんその過程には少しずつ恋愛感情も芽生えてきて。
投稿作内のキャラ設定やストーリーがそのままこの2人の心情に当てはまりつつ、しかもこの小説の構成自体にも当てはまるというメタ小説的な作品です。
上手いなぁ。
まあベタといえばベタではあるんでしょうけど。
しかしクサさを感じさせず実に爽やかに微笑ましく読ませてくれます。
感動しました。
この作者の他の作品(文学少女シリーズ)もぜひ読んでみたいと思います。
ラベル:小説
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2018年05月17日

「きらめくジャンクフード」野中柊

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作家によるジャンクフードを題材にした食エッセイ。
ですが、必ずしも一般的にいわれているジャンクフードだけではありません。
著者もあとがきで書いておられますけども、「これもジャンクフード?」と首をかしげる人もいるだろうと。
例えば、トムヤムクン、おにぎり、たまご焼き、おせち料理・・・・。
たしかにそれらをジャンクフードというのはどうなのよと。
おせち料理なんか特に。
でも著者がこの本でいうジャンクフードとは、色とりどりの雑多な楽しいもの、といったイメージとのこと。
まあ楽しいということでいえば堅苦しい料理よりもこの本で取り上げられているような食べ物ということになるでしょうね。
アイスクリーム、サンドイッチ、クラムチャウダー、オムライス、コロッケ、シーザーサラダ、かき氷、おでん・・・・。
身近な食べ物ばかりです。
そして誰もがそれぞれにエピソードや思い出を持っているような。
美食の本もいいですが、やはりこのようなのが普段着感覚で馴染めます。
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2018年01月15日

「くすぶれ! モテない系」能町みね子

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モテない系とはなんぞや。
著者曰く、「100%モテないわけじゃない、彼氏やダンナがいることもある、でも『モテないオーラ』がモワモワとにじみ出ている・・・・」という女子のことだそうです。
でまあ、いろいろとモテない系の見た目やら言動について書いておられるわけですが。
こういうのを読んで系列として連想するのは、やはり酒井順子の「負け犬の遠吠え」や雨宮まみの「女子をこじらせて」ですね。
なんですけど、どうもそれらに比べると印象が薄いといいますかピントがぼやけているといいますか。
やはりコンセプトがいまいち明確ではないんじゃないでしょうか。
モテない系というわりには「彼氏やダンナがいることもある」と定義しておられるあたり、それですでにぼやけてしまっています。
「モテない」ではなくあくまで「モテない系」なんだとの言い分があるんでしょうけど。
で、著者がイメージしているのは具体的にはどういう女性たちなのかといいますと、「いわゆる文科系女子だとかサブカル系女子だとかいう人々に当たるでしょう」と。
これもまた曖昧といいますか浅いといいますか。
「CanCam」とか「JJ」とかの系統をモテ系と定義しておられ、その正反対のベクトルとしてそれらの人たちをモテない系と定義しておられるようです。
そのあたりも詰めが甘い。
著者の中ではそうなのかもしれませんが、もひとつ説得力に欠けます。
まあ露骨にモテない女なんてのをジャンル的に定義するとそれこそ差別にもなりかねませんので(笑)、このあたりが無難な落としどころなのかもしれませんが。
著者の意気込みはわかるのですが、どうも空回りで終わってしまってますね。
ラベル:エッセイ
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2017年11月08日

「小説家の作り方」野崎まど

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デビューしてまだ2年目の作家、物実のもとにファンレターが届きます。
紫という女性です。
小説の書き方を教えてほしいと。
この世で一番面白い小説のアイデアを閃いてしまったと。
何度かメールをやりとりし、物実がそれはどのようなアイデアなのか訊いても説明できないといいます。
一度会ってほしいといわれ会ってみたものの、会話がワンテンポずれているどこか変な女性です。
ただし半端なく美しい。(笑)
話し合いの末、物実は紫に小説を教えるアルバイトを始めることになりました。
紫が今までに読んだ本がなんと5万冊。
ところが作文どころか文章を書いたことがなく、物実へのファンレターが人生初めての文章だといいます。
そんな紫に小説の書き方を指南していく物実ですが・・・・。
なるほどなぁ。
上手いなぁ、野崎まど。
笑える箇所もありますし、でもストーリーはきっちりと作られていますし。
ミステリーといいますかSFといいますか。
読み終えてタイトルにふむふむと。
あまり詳しく書くとネタバレになりますので。
面白かったです。
なめたらアカンね、ライトノベル。(笑)
ラベル:小説
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2017年10月03日

「手芸女」野坂律子

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タイトルは「シュゲジョ」と読みます。
都立水之江高校の新任教師、大山健太郎。
体育会系バリバリの健太郎がなんと手芸部の顧問をすることになります。
しかしその手芸部は文化祭を前に2派で対立していました。
真面目な部長町田塔子率いる“手作り小物を売りたい派”と、姉御肌の長島チカ率いる“ファッションショーをやりたい派”。
体育会系新米教師の健太郎は慣れない女子高生たちの板挟みになります。
文化部にとっては年に一度の晴れ舞台である文化祭はすぐそこ。
健太郎は彼女たちをまとめて文化祭を成功させることができるのか・・・・。
珍しく手芸なんてジャンルをモチーフにしており、どんなものかと気になって読んでみたのですが。
いやいや、なかなかでしたね。
アクロバットな展開はありませんが、無難にうまくまとまったお話じゃないですか。
体育会系新米教師と女子高生、手芸部というミスマッチな組み合わせ。
少年ジャンプではありませんが、友情、努力、勝利というテーマもあります。
もちろん恋愛の要素も入っており、ひととおりのツボは押さえてあります。
大きくはありませんがいい作品でした。
もう1~2作シリーズで出してみてもいいのではという気がしましたね。
ラベル:小説
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