2015年08月04日

「TOKYOオリンピック物語」野地秩嘉

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2020年に2度目の東京オリンピックを控えていますが、この本は1964年に開催された最初の東京オリンピックの物語です。

といいましても各競技の選手たちがどうのこうのな内容ではありません。

オリンピックを支えた裏方の人たちの物語です。

ポスターやシンボルマークを作ったデザイナー、リアルタイムシステムを作ったシステムエンジニア、選手村で1万人の食事を作った料理人、警備を受け持った民間初の警備会社、記録映画としてフィルムに収めた監督やキャメラマン、ピクトグラム(施設案内の絵文字)を作ったグラフィックデザイナー・・・・。

そんな人たちのオリンピック成功にかける意気込みがひしひしと伝わってくるエピソードです。

現在2020年東京オリンピックのシンボルマークがどうこうと問題になっていますが、このオリンピックのシンボルマークというのは1964年の東京オリンピックが最初なのだとか。

リアルタイムシステムにしても瞬時に着順やタイムや選手名などが各会場に送られる。

これも東京オリンピックが初。

現在はこのノウハウがあらゆるところで活かされています。

選手村の食事にしても冷凍食品を導入。

でないと1万人の食事は賄えません。

臭くてまずいといわれていた冷凍食品を飛躍的に改善させます。

今では普通に見かける民間の警備会社もこのオリンピックで注目され、大きな業界へと成長します。

記録映画も市川崑監督をはじめとして、錚々たるキャメラマンが集結。

大ヒットを記録します。

ピクトグラムは世界各国から集まる人たちを絵で案内しなくてはなりません。

現在このジャンルがいちばん発達しているのは日本だそうですね。

インターネットの絵文字を見てもそれは伺えます。

漫画という突出した文化を持つ日本ならではでしょうか。

さすがだと思います。

オリンピックというとまず活躍した選手や記録が取り上げられますが、このような人たちの努力も大いに評価されなければなりません。

著者らしい一冊だと思います。

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2015年02月22日

「エッシャーに魅せられた男たち 一枚の絵が人生を変えた」野地秩嘉

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版画家M・C・エッシャー。

だまし絵の画家として有名で、名前は知らなくとも誰もが一度は作品を目にしたことがあるのではないでしょうか。

不思議な魅力を持つエッシャーの作品に魅せられた人たちを追ったノンフィクションです。

例えば有名ファッションブランドの取締役はコレクションを手に入れるため、数億円の借金を抱えることになります。

ある画商はエッシャーの絵を広く知ってもらおうと、あちこちで展覧会を企画し駆け回ります。

『少年マガジン』で活躍した伝説の編集者大伴昌司もエッシャーに惚れ込んだ一人でした。

連載中の『あしたのジョー』がジョーと力石の死闘でいちばん盛り上がっているときに、『少年マガジン』の表紙をエッシャーで飾ったほど。

そんな人たちの熱い思いがあり、日本でも現在では展覧会を開催するとつねに盛況という人気の画家となりました。

芸術としてはそれほど高く評価されていないようですが、しかしそのトリッキーな作品の面白さは老若男女にかかわらず楽しめる魅力があると思います。

なによりあの精緻な作品がすべて版画だというのがすごい。

機会があれば私も一度展覧会に足を運んでみたいと思います。

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2014年10月19日

「トロピカル性転換ツアー」能町みね子

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著者は性同一性障害。

ご自身ではあっさりと「オカマ」と名乗っておられました。

そしてオカマでありながらOL生活をやっておられたということで、その生活をブログに書いてブレイク。

「オカマだけどOLやってます。完全版」として本にもなりました。

現在はエッセイ、イラスト、ラジオ番組などで活躍しておられます。

今は性転換手術も済ませ戸籍上も女性となられたわけですが、タイに行ってその性転換手術を受けた日々を書いたのがこの本です。

コミカルに面白おかしく書いておられますが、なかなか大変だったようで。

性転換手術された人というのは何人もおられると思いますが、ここまで赤裸々にその内容を公開した人というのは今までいなかったのでは。

手術後の経過などかなり露骨です。

それをお気軽な文体とイラストで読み物として読者を笑わせるのは著者の嫌味ないセンス。

楽しませていただきました。

ラベル:エッセイ
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2014年07月01日

「納豆に砂糖を入れますか? ニッポン食文化の境界線」野瀬泰伸

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「天ぷらにソースをかけますか?」に続く第2弾です。

地方によって様々な食文化があります。

その土地では当たり前と思っている食べ方が他の地方からすれば考えられないことだったり。

私は大阪人ですので天ぷらには当然ソースですが、さすがに納豆に砂糖というのは・・・・。

納豆自体は好きです。

よく関西人は納豆嫌いなんていわれますが、そんなことはありません。

けっこう皆食べています。

しかし砂糖はあり得へんわと思いましたが、付属のタレには砂糖が含まれています。

なので直接かけるわけではありませんが、間接的にはかけていることになるんですね。

砂糖をかけるとねばりがよく出るとのこと。

それが砂糖をかける理由かどうかはわかりませんが。

その他「メンチかミンチ」か、「正月に食べる魚は鮭かブリ」かなど、ネットでいろんな地方の人からの意見を紹介して分布図を作成しておられます。

ラベル:グルメ本
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2014年02月19日

「サービスの天才たち」野地秩嘉

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サービスに携わるいろんな人を取材しておられる著者。

サービスシリーズ(?)としてすでに何冊も本を出しておられます。

「サービスの達人たち」 「サービスの裏方たち」など。

今回は「サービスの天才たち」です。

7人のサービスマンが紹介されています。

最初は「高倉健を魅了するバーバーショップ」ということで、散髪屋さんが紹介されています。

俳優の高倉健氏が惚れ込んで贔屓にしておられるとのこと。

散髪屋さんは大勢いらっしゃいますが、鋏1本(だけではないですけどね)で仕事するその内容にどれほどの違いがあるのか。

それがある(らしい)んですよねぇ。

著者も実際に体験して納得しておられます。

他にもいろいろ紹介しておられるのですが、タイトルの「天才たち」というのはちょっと違うのではと思いました。

もちろんこの本に登場する人たちは皆さん素晴らしい。

ですけど「天才」というのとは違うでしょう。

私なら「サービスの職人たち」とタイトルしたいところです。

それぞれ紹介されている人たちは、「天才」ではなく「努力の職人」だと思います。

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