2013年06月13日

「サービスの裏方たち」野地秩嘉

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「サービスの達人たち」に続いてシリーズ第2弾です。

前作ではサービスという仕事にその“才能”を発揮した人たちを取り上げておられましたが、本作では裏方ということでその活躍は地味ではあります。

ありますが、しかしさすがにプロフェッショナル。

まさに縁の下の力持ち的な仕事でその力量を発揮しておられる人たちです。

たとえば「学習院初等科の伝統を支える給食のおばさん」。

有名料理店のシェフや料理研究家などという人たちが芸能人のように注目される中、子供たちに安全でおいしいものをと毎日地道に何百人分もの給食を作っておられる人もいるんです。

「戦後腹を満たした魚肉ソーセージの父」では、チビた下駄を履いて遊んでいる痩せた子供においしいものを食べさせたかったと、魚肉ソーセージの開発に没頭する男性の話。

しかもその魚肉ソーセージの父は、特許を取っていません。

儲けることなど考えていなかったのです。

その後いろんな会社がこの食品を販売します。

「絶景の特等席に座る女性クレーンオペーレーター」。

地上数十メートル(ベテランになると100メートル以上)のわずか二畳ほどの空間でクレーンを扱い1日を過ごす女性。

わかっていたようで改めてこのような仕事もあるんだなぁと読みました。

男性社会の中で女性の活躍です。

その他、高倉健やクレイジーケンバンドの横山剣といった人たちも登場しています。

実にいい一冊でした。

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2012年09月11日

「サービスの達人たち」野地秩嘉

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職業にはサービスというのが存在します。

そんなサービスの達人たちを紹介したのがこの本です。

ロールスロイスを売りまくるセールスマン。

阪神淡路大震災で活躍した電報配達人。

オードリー・ヘップバーン、ソフィア・ローレン、フリオ・イグレシアス、マイケル・ジャクソンなどに愛された靴磨き職人など。

いや、すごい。

実績もそうですが、皆さんご自分の仕事に誇りを持っておられます。

そうですよね、仕事というのは本来そうあるべきでしょう。

職人です。

そう考えるとなんやら得体の知れない仕事で大儲けしておられる人たちってなんなのかなと思ってしまいます。

こんなこと言っても貧乏人の僻みとしか取られないのかもしれませんが。

私は職人さんってすごいと思うんですよね。

やはり生身の人間としてぶつかった仕事をしておられるのに魅力を感じ、敬意を持ちます。

続編もありますので、ぜひそれも読ませていただきたいと思います。

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2012年04月24日

「ちゃぶニチュード! 日本全国マズイ店列伝」野瀬泰申

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美味しい店を紹介した本は多数ありますよね。

というか、飲食店紹介本の目的というのはそれですから。

しかしこの本は違います。

マズイ店の紹介です。

著者はマズイと噂される店をあえて選んで食べ歩いておられるのです。

思わずちゃぶ台をひっくり返したくなるような店。

そんな店のマズさをチャブニチュードという基準で評価しようというもの。

さて、どんな店があるのか・・・・。

最初に紹介される味のないチャンポンを出す店、これわかるなぁ。

私もいちどこのようなラーメンを経験しましたし。

まあなんやかんやいろんなマズイ店やヤル気のない店などが紹介されているのですが、ウーロンハイについてはちょっと物言い。

著者は店でウーロンハイを頼んでレモンチューハイのウーロン茶割りが出てくることに憤慨しておられます。

そりゃ憤慨するでしょう。

ウーロンハイというのは甲類焼酎をウーロン茶で割ったものであると。

しかしウーロンハイという言葉自体がそもそもおかしい。

飲み物でハイとなると炭酸で割ったものとなるはずです。

レモンチューハイにウーロン茶はさすがにアレですけども、焼酎をウーロン茶で割ったのが飲みたいのなら「ウーロン茶割り」といえばいいのです。

炭酸を使わないのに「ハイ」という言葉を使う風潮に疑問を持たない著者に店を責める資格なし。

日本酒で燗といえば「熱燗」しか知らない店員はボロクソ責めてよし。(笑)

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2011年06月24日

「食べちゃえ! 食べちゃお!」野中柊

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著者は作家です。

夫は料理が得意なアメリカ人。

そんなご夫婦の暮らしとともに、63章もの美味しいエッセイを読ませてくださいます。

ダンナさんはなかなか本格的な料理を作られるようで。

ケーキやお菓子などの甘い話題もいっぱいで、私など甘いのは苦手なのですが、それでも著者の「美味しくって幸せ」な感じがよく伝わってきます。

そしてダンナさんとのラブラブな生活。

どちらもごちそうさまです。(笑)

ラベル:グルメ本
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2010年10月22日

「天ぷらにソースをかけますか? -ニッポン食文化の境界線-」野瀬泰伸

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食文化というのは地方によってさまざまです。

その土地では当たり前と思われているような食べ方がよそでは「え~っ!」と驚かれたり。

タイトルの天ぷらにソースというのもそのひとつでしょう。

私は生まれも育ちも大阪ですので、まさしく子供の頃から天ぷらはソースでした。

ではそのような食文化はどこに境界線があるのでしょう。

そんな疑問を調査したのがこの本です。

もともとは日本経済新聞のホームページでの連載だったということで、ネットでメールやアンケートという形でデータ収集されています。

いろんな地方の人たちからのメールが紹介されており、その根拠なども見えてきて興味深い。

天ぷらにソースの場合、ほぼ糸魚川-静岡構造線(フォッサマグナ)あたりが境界線となっているようですね。

大まかに東西の食文化を比較する場合、このラインはひとつの目安となるようです。

関西のソース文化については、明治二十七年に「三ツ矢ソース」と「錨印ソース」(のちのイカリソース)が大阪に誕生し、文明開化とともに天ぷらも含めて洋食にソースをかけるのがハイカラとして西日本に拡がっていった可能性が高いと筆者は推測します。

ただそんな西日本で香川県が突出してソース派が少ない。

その理由はなぜか。

何人かの地元読者からのメールで有力な根拠が浮かび上がります。

香川県で最も天ぷらを食べる機会が多いのはうどん屋である。

つまり天ぷらはうどんのトッピングとして捉えられていると。

なので天ぷら=うどんつゆという図式があり、家で単品で食べるとしてもソースではなく天つゆであると。

なるほどなぁと思いました。(笑)

その他「紅しょうがの天ぷらを食べるか」、「豚まんというか肉まんというか」、「肉といえば牛か豚か」、「冷やし中華というか、冷麺というか、それにマヨネーズをかけるか」

「カレーライスのトッピングで卵といえば生卵かゆで卵か」・・・・などなど面白いテーマがいっぱい。

最後の章では筆者が東海道を歩きながら食文化その他の変化を目の当たりにしていくという企画もあります。

サンマーメンの境界線は。

イルカを食べるのはどこからどのあたりまでか。

白ねぎと青ねぎの境界線は。

そば文化とうどん文化はどこで入れ替わる?

うなぎの関東風と関西風は。

などなど、実に興味深く面白い内容でした。

ラベル:グルメ本
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