2019年04月23日

「女の庭」花房観音

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大学時代の恩師の告別式で12年ぶりに再会した5人の女たち。
喫茶店でお茶を飲みながら、その後その中のひとりの家で送り火を見ながら、女たちは近況を語り合います。
学生だったあの頃から変わったお互いの姿を見、それぞれの家庭、仕事、恋愛、日々の生活を聞き。
自分の現状と比べて相手はどうなのか。
羨望、嫉妬。
そのような感情が入り混じります・・・・。
章ごとに一人ずつスポットが当てられています。
当然それぞれの人物には友人たちの知らない生活があるわけで。
この作品で特に描かれているのは性です。
セックスですね。
ただエロいシーンだけを書いていては単なるエロ小説です。
しかしさすがに花房観音、女の上辺と本性といいますか、表裏が見事に描かれています。
しっかりとドラマがあります。
他人の庭の芝生は青く見えるというような言葉があるように、外からだけでは決してわからないものを抱えてるんですよね、皆。
幸せそうな充実してそうな生活をしているように見えても、裏の姿はドロドロです。
とくにセックスといいますか性癖に関してですから、まさしく欲望の核に触れているような生々しさというかエグさがあります。
舞台はこの作者らしくやはり京都です。
他人には本音を見せない街ということで、この京都という舞台がまたこの作品の内容に非常にマッチしています。
しかし花房観音作品はいつもながら下半身を刺激するなぁ。(笑)
ラベル:小説
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2019年01月19日

「読む餃子」パラダイス山元

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餃子を愛し、会員制の「蔓餃苑」という店まで始めてしまった著者。
市販の餃子をひたすら調査し、旅に出れば餃子の店に飛び込み、ひたすら新餃子の開発にも励んでおられます。
パリで餃子の講習会まで開いたとのこと。
しかしここまで餃子を追求した本を出しておられる人はいないでしょう。
ラーメンやカレーの本はありますけども。
いろんな角度から餃子を考察しておられます。
なぜ餃子丼がないのかという疑問には私もなるほどと。
ありそでなさそな餃子丼。(笑)
餃子定食はどこにでもあるのに。
東京ディズニーシーにはギョウザドッグなんてあるそうです。
それなら丼があってもいいではないですか。
この本はまさしく読む餃子。
たっぷりと餃子への餡、いや、愛が詰まっています。
ラベル:グルメ本
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2018年12月27日

「海の見える街」畑野智美

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海の見える街にある図書館で働いている司書の本田。
ある日その図書館に春香という一年契約の若い女の子がやってきます。
本も読まず常識もなく、いかにも最近の若者といった感じの彼女に本田や同僚の日野さんも振り回され持て余し気味。
しかし徐々に彼らの心情に変化が訪れます・・・・。
各章ごとに語り手を変えて話が進みます。
視点が変わることによって主観も変わるわけで。
それぞれの登場人物の心情が分かりやすく語られます。
当たり前のことですが人それぞれに生活があり、それまでの過去があり、そして今があるわけで。
それらの糸が編まれてお互いに影響し合い、1本の紐となりストーリーになるんですよね。
人とのつながりが話を生むんだなぁと思わせられます。
ほのぼのと心に染み入るような小説でした。
ちなみに「海の見える街」というタイトルはどうなんでしょう。
以前に読んだ「国道沿いのファミレス」もそうなんですけど、そのまんま過ぎてあっけない。
もうひとひねり欲しい気がするのですが。
ラベル:小説
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2018年08月09日

「キネマの神様」原田マハ

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国内有数のデベロッパー(再開発企業)に勤める歩は39歳の独身女性。
巨大再開発プロジェクトの計画立ち上げに関わり、シネマコンプレックスを中心とした文化・娯楽施設担当課長に抜擢されます。
しかし業者と通じて職権乱用しているとの身に覚えのない噂が流れて左遷の辞令。
歩は辞職します。
同時期、映画好きでギャンブルが生きがいの父が倒れ、多額の借金も発覚。
医療費、借金の返済。
年収1000万の大手企業課長の娘に両親はそれとなく期待するのですが、いまや無職の身です。
それをなかなか言い出せなくて。
ある日、父が映画雑誌のブログに歩の文章を投稿するのですが、これがきっかけで歩は編集部に採用され、また父の文章が面白いとブログで連載することに。
ここから歩や父親の生活は想像もしなかった展開になります・・・・。
デベロッパーの女性課長という設定は以前に読んだ作品にもありましたね。
この設定がお好きなようですが、マンネリです。(笑)
さて、この小説はタイトルからもわかるように映画をモチーフとした作品です。
そこにブログというツールを取り入れて、これは今どきの設定ですかね。
ただちょっと感覚がズレているのが気になりましたが。
こういうのを取り上げるときは、ほんと最先端の感覚でないとつらい。
腐臭が鼻についてしまいます。
それはそれとして、父親の記事に対してローズ・バットという謎の人物がコメントするというやりとり。
これが話を盛り上げます。
登場人物の、そしておそらく作者の映画への思いが存分に込められています。
映画をモチーフにしつつ、家族、なにより映画好きな男同士の友情が熱く語られています。
ちょっと甘い話ではありますが、わくわく感動しつつ読みました。
ラベル:小説
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2018年08月03日

「サザエさんの東京物語」長谷川洋子

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著者は「サザエさん」の作者である長谷川町子の妹です。
そのような立場から見た長谷川家はどのような家庭だったのか。
長谷川町子とはどのような人物だったのか・・・・。
いまや国民的アニメである「サザエさん」。
日曜日の夜には欠かせない番組となっていますよね。
それだけに「サザエさん症候群」なんて言葉も生まれたりして。
誰もが知る「サザエさん」ではありますが、原作者が長谷川町子という人物だいうのはアニメのクレジットでけっこう皆さんご存知でしょう。
しかしアニメではなく原作を読んだことがあるということになると、その数はガクンと減るのでは。
ましてや長谷川町子がどのような人物であったのかとなると。
この本にも書かれていますが、晩年に日本漫画家協会・文部大臣賞を受賞した際、あまり人前に出たがらない長谷川町子氏が出席されたのだとか。
誰もまさか長谷川町子が出席するわけはないだろうと思っていた中での出席。
「パーッと花が開いたように脚光を浴びて会場に現れた」とのこと。
「動く長谷川町子を初めてみた」と会場はどよめいたそうです。
こうなるともう伝説の人物ですね。(笑)
で、この本の内容ですが、決して長谷川町子伝ではありません。
あくまで主人公は著者です。
長谷川町子の素顔についても語っておられ、またいくつかの写真も添えられてはいます。
ですがこれはあくまでも著者のエッセイです。
著者から見た長谷川家の記録。
これはこれで興味深く読ませていただきました。
しかし「サザエさん」という言葉を使うのは便乗的だなという気がしましたね。(笑)
ラベル:漫画本 エッセイ
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