2017年05月20日

「味覚を磨く」服部幸應 三國清三

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著者は服部幸應氏と三國清三氏。
服部氏はマスコミにもよく登場しますね。
料理学校の校長です。
三國氏はレストランのオーナーシェフ。
お二人がそれぞれ味覚や食育について語っておられます。
内容は三章になってまして、第一章では三國氏が、第三章では服部氏が、それぞれ味覚や食育について語っておられます。
第二章はお二人の対談です。
どちらも現在『食育』について活動しておられるんですね。
政治家や学校などに食育の大切さを語りかけ、食の喜びや大切さを伝えておられます。
たしかに日本の現在の食生活はどんどん崩壊しています。
子供や若い人たちの食生活にはぞっとするものがあります。
グルメだなんだといいつつ、その実態は浮ついたバブリーな人たちであふれかえっています。
もっと根本的なところで食というものを考えていきませんと。
美食でなくていいんです。
別に高級店や話題の店で食べなくてもいい。
普段の家庭での食事からきっちりしていきたいものです。
昔ながらの素材と料理法で作った食事をし真剣に食べれば、おのずと当たり前の味覚は身に付くと思いますが。
ラベル:グルメ本
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2017年04月14日

「ルンルンを買っておうちに帰ろう」林真理子

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著者の処女作です。
小説ではなくエッセイ。
これがベストセラーとなり、その後小説で直木賞を受賞しサクセスストーリーを駆け上がっていくんですね。
林真理子といえばやはり嫉妬や自己顕示欲、独占欲、成り上がり志向など、いやらしいともいえる女の本音を書いた作風がウリです。
実際それらは誰にもあるわけですが、それを包み隠さず堂々と自分のこととして晒け出したというのがすごいところ。
で、現実に成功して成り上がってしまったのだからあっぱれです。
今では直木賞をはじめ数々の文学賞の審査員も務め、着実に文壇での地位を固めておられます。
周りに目上の人たちがいなくなった時の女帝ぶりを考えると恐ろしい。(笑)
さて本の内容ですが、さすがに文章は拙さというか若さが溢れています。
しかしすでにじゅうぶん本領を発揮しておられますね。
だからこそのベストセラーなわけですが。
有名人に対しても実名を挙げ、ボロクソです。
矢野顕子なんてボコボコ。(笑)
スタイリストの原由美子なんかも攻撃してますねぇ。
いやしかしこれから“ギョーカイ”で成り上がっていこうとするのに、よくもまあ書けたものだと感心します。
まあこのような“噛みつき癖”はいまだ健在のようですが。
もちろんすべて悪口三昧というわけではありません。
誰も書かなかったような本音の隅々を上手くつついてくるなぁと思える、楽しめるエッセイです。
ラベル:エッセイ
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2017年02月13日

「大局観 自分と戦って負けない心」羽生善治

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頭を使うゲームといえば、やはり将棋が挙げられるでしょう。
名人戦ともなれば2日がかり、持ち時間9時間ですからね。
それほど考えて考えて手を読むわけです。
プロ棋士などは目隠しして頭の中の盤で将棋を指せるそうですし、過去の棋譜も驚くほどよく記憶しておられます。
名人になったこともある故・米長邦雄は4人兄弟の末っ子でしたが、3人の兄はすべて東大卒。
そんな米長が言ったとされる言葉に「兄たちは頭が悪いから東大にいった。自分は頭がいいから棋士になった」というのがあります。
いったい将棋棋士の頭脳とはどのようになっているのか。
天才集団であることは間違いありません。
そんな棋士の頂点に立つのが著者の羽生善治です。
前人未到の7冠を達成して大きな話題にもなりました。
さて、羽生は日頃どのように物事を考え、心掛け、勝負に挑んでいるのか。
それは「大局観」だといいます。
簡単にいえば部分だけを見るのではなく、全体を見渡すということですね。
しかしわかってはいてもなかなかできることではありません。
ある意味、長年の経験による達観的な境地ともいえます。
この本では第一章 大局観、第二章 練習と集中力、第三章 負けること、第四章 運・不運の捉え方、第五章 理論・セオリー・感情、と自身の経験を例に挙げ、考えを述べておられます。
将棋に限らず他の仕事や日常の生活においても参考になることでしょう。
ラベル:エッセイ
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2017年01月28日

「フード左翼とフード右翼 食で分断される日本人」速水健朗

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「普段どんなものを食べているのか言ってみなさい。あなたがどんな人間か言い当ててみせよう」
言い回しはいろいろと違いますが、「美味礼賛」という書物を著したフランスの食通ブリア・サヴァランがそのような言葉を残しています。
食の嗜好によって人間性がわかるということですね。
食を二極分化しますと、ファストフードやデカ盛りなどのジャンク志向と、スローフードやマクロビオティックといった自然志向に分かれます。
たしかに食の嗜好でその人の思想はわかりますよねぇ。
やはりオーガニックなどにこだわる人は自身の健康に気を付けているでしょうし、多少なりとも環境問題にも関心を持っているでしょう。
ジャンクフード好きな人はそんなことあまり考えてない。(笑)
本書では自然食志向の人たちをフード左翼と位置付け、ジャンク志向の人たちをフード右翼と位置付けています。
それらの層は政治に関してどのような思想を持っているのか。
面白い分析だと思います。
食の志向によってそれが多数となれば政治を動かすことにも成り得るわけで、つまり消費選択による意志表示ですね。
消費者が企業を動かし、そうなると社会が動く。
政治もそれを無視することはできません。
選挙の一票よりもこちらの意思表示のほうが効いてくる可能性もあります。
そういう意味ではこの本でいうフード左翼な人たちがやはり社会に物申すわけですが、必ずしもオーガニックや有機農業がいいというわけでもないんですね。
単純に農薬が悪というわけにはいかないと。
有機農業は効率ということを考えると一部の人たちを自己満足させるものでしかないという理論も成り立つということです。
それ100%で世界中の食糧を賄えるのかと。
裕福でない人も手を出せるのかと。
そして遺伝子組み換え作物についても。
反対する人も多いわけですが、本当に危険なのかという議論と立証も必要です。
ただ気分的には口にしたくないですけどね。
自然で安全で、それで世界中の食糧事情が解決できればいちばん理想なんでしょうけど。
ラベル:グルメ本
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2017年01月24日

「沿線風景」原武史

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鉄道やバスに乗り、いろいろな土地に出かけ、その土地の歴史や風景や食を楽しみつつ、関連した書物について語る。
のどかな書評エッセイです。
ですが書評や食についてはさほど深く書いているわけではないので、近場の旅エッセイといったところですかね。
ついでに書評や食に触れている感じ。
旅というとやはり遠出をイメージするわけですが、意外と身近にもいろいろと見るべき場所があったりするわけで。
どうしても地元や近辺には目が向かなかったりします。
でも自分の近所は他人の遠方だったりしますからね。
そう考えると近所だからと見過ごすのはもったいない話です。
日頃乗っている電車の通過駅で降りてみるというのもいいかもしれません。
その土地にまつわる書物なんかがあったら尚いいですね。
なんでもないと思っていた街がぐっと立ち上がってきたりして。
そして地元で長年愛されているような食堂にぶらっと入ってみたりして。
こういうのって実はすごく贅沢ですよね。
なかなか気まぐれに知らない土地にぶらっと出かけたりはできません。
時間と精神的な余裕がありませんと。
この本を読みまして、そんな休日を過ごしてみたいな、なんて思いました。
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