2019年08月13日

「芸人学生、知事になる」東国原英夫

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お笑い芸人だったそのまんま東氏が東国原英夫として宮崎県知事になったのは誰もが知る話。
もちろん何もなくいきなりそのようになったわけではなく、きっかけがあります。
この本はそのきっかけからスタートしています。
それは98年のこと。
出入りした風俗店で働いていた16歳の少女が捕まり、その少女が東氏を相手にしたことがあると証言したため、警察から任意で捜査に協力してほしいとの連絡がありました。
もちろん東氏は実際の年齢など知らず、店では19歳として紹介していたようです。
東氏に法的な罪はないのですが、マスコミが黙っていません。
東氏はやむなく謹慎することになります。
そんな謹慎期間中に勉強をやり直そうと大学進学を決意。
見事、早稲田の二文に合格します。
卒業して今度は同じく早稲田の政経へ。
ここで本格的に地方自治に目覚めるわけですね。
そしていよいよ故郷である宮崎県の知事選へ・・・・。
少しの時間も惜しんでの、ものすごい努力がうかがえます。
途中からは仕事にも復帰し、その中での大学生生活です。
東京と宮崎を何度も行き来し、現地の施設や県会議員選挙活動の同行取材など。
そして毎日欠かさず20キロのランニング。
当然睡眠不足にもなり、血尿まで出たといいます。
マスコミからバッシングされ犯罪者のようにホテルを転々とする生活。
そんな中で価値観も自分も見失い、落ち込んだ日々。
しかしそんなことさえバネにして人生をやり直すきっかけとしたなんてすごいことです。
著者の生真面目な考え方、人生観も知ることができ、ちょっと感動の一冊でした。
ラベル:エッセイ
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2019年03月16日

「カエルの楽園」百田尚樹

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凶悪なダルマガエルに仲間たちを食べられ、国を追われたアマガエルのソクラテスとロベルトたち。
放浪の途中でも数々の仲間が死んでいきました。
ようやくたどり着いたのがツチガエルの国ナパージュ。
争いもなくカエルたちはとても親切で、二匹はようやく楽園にたどり着いたと安堵します。
この国には「三戒」と呼ばれる戒めがあります。
カエルを信じろ、カエルと争うな、争うための力を持つな。
そして「謝りソング」という歌があり、これらによってナパージュは長いあいだ平和が保たれているというのです。
しかし南の崖下の沼には凶悪なウシガエルがいます。
そのウシガエルたちがじわじわと崖を登り、ナパージュに接近してきます。
ですがナパージュのカエルたちは「三戒」がある限り大丈夫だと皆主張します。
「三戒」は本当にその脅威からナパージュを守ってくれるのか・・・・。
平和ボケした理想論を高々と掲げ、自国を自虐し続ける一部の(いや、多数か)日本人に対しての痛烈な皮肉であり警告的な内容ですね。
自国に不法侵入されても争いはいけません、話し合いで解決しましょう、「三戒」がある限り大丈夫ですと言い続ける元老たち。
こちらから争いを仕掛けることはない、しかし自国を守るためには敵に立ち向かうための力が必要だと訴える一部のカエルたち。
それでも頭の固い元老たちやそれを支持するカエルたちは「三戒」を盾にして聞く耳を持ちません。
やがてウシガエルたちがナパージュに攻め込んできます。
さてナパージュはどうなったのか・・・・。
言うまでもないことでしょう。
「話せばわかる」なんて言っていても問答無用で拳銃で撃たれたら終わりなんですよ。
実際何を言っても聞く耳を持たない国がすぐ近くにありますよね。(笑)
ラベル:小説
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2019年02月12日

「夜中にジャムを煮る」平松洋子

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食エッセイ集です。
タイトルがいいじゃないですか。
夜中にジャムを煮る。
これ昼間にジャムを煮るだとだからどうしたで終いなんですけどね。(笑)
夜中というのがなんとも意味深であり、儀式めいた雰囲気を感じます。
向田邦子の「夜中の薔薇」を思わせたりするタイトルです。
この著者の食エッセイは食べ物について書かれているのは当然のこととして、道具についても頻繁に取り上げておられます。
電子レンジを処分して蒸籠にしてみたり、炊飯器をやめて文化鍋や石鍋でごはんを炊いてみたり、ある意味時代と逆行したことをやっておられます。
そこに見られるのは道具に対しての愛着ですね。
電子レンジや炊飯器といった機械よりも、やはり蒸籠や鍋のほうが愛着が湧こうというものです。
そして手作り感のある美味しさですね。
やはり昔ながらの道具で料理すると出来もいい。
これは私も思います。(慣れないうちは失敗もありますが)
ただ食べ物について書かれたエッセイではなく、“台所”を感じる食エッセイだと思います。
ラベル:グルメ本
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2018年11月03日

「樹下の家族」干刈あがた

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主人公の『私』は小学生の2人の男の子を持つ母親。
ジョン・レノンが殺された日、私は年下の若い男と出会います。
2人で夜の街を彷徨い、バーで語り合い、現在と過去の出来事や思いがさまざまに浮かび上がってきます・・・・。(樹下の家族)
う~ん、正直言いまして私にはさっぱり理解できませんでしたね。
ジョン・レノンがどう、60年安保がどうという話になって、最後は樺美智子へのオマージュです。
このとりとめのなさや不安定さがもちろんこの作品の持ち味なのでしょうが、いや、私には無理でした。(笑)
最後に収録されている「裸」という作品がどうにかこうにかといったところでしょうか。
ちなみにこの「樹下の家族」が第一回海燕文学賞を受賞したデビュー作。
私の及ぶところではありませんでした。
ラベル:小説
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2018年10月24日

「親友の条件」久石ケイ

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幼馴染みの壱哉のことがずっと好きだった利津。
しかし壱哉は親友の果穂と結婚してしまいます。
ですが病弱だった果穂はあっくんという子供を残して亡くなってしまいます。
あっくんが一人前になるまで手助けしてあげてほしいと遺言を残して。
利津はその遺言を頑なに守り、壱哉親子とアパートの隣同士の部屋に住み、食事などの世話などをしています。
しかし壱哉の態度は冷たい。
こんなに壱哉のことが好きなのに。
そしてその子供であるあっくんも自分の子供のように好きなのに。
自分はもう二人から離れるべきなのか。
利津は悩みます・・・・。
幼馴染みでずっと好きだった男と親友の子供をひたすら世話し続ける主人公。
健気ではありますが、いくらなんでもという気もします。(笑)
どこまで尽くすねんと。
繋ぎとめているのはあっくんという子供なんですよね。
読んでいましても子供を出されるとさすがにつらい。
でも親友と幼馴染みの子供であって自分の子供ではないわけで、そこまで尽くせるかと思いましたね。
壱哉にひたすら冷たくあしらわれているにもかかわらず。
で、結局は壱哉の冷たさというのは勘違いだったわけで、このあたりはもうお約束のパターンに突入です。
お互い勘違いしつつ、でもそれらはすべて誤解だったと。
2人はめでたく結ばれます。
はいはいはい、です。
ま、それはいいのですが、読んでいてちょっと冗長だったかなと。
これで引っ張るには長すぎた気がします。
あとタイトルですね。
エタニティ文庫のタイトルとしてはちょっと色気がありません。(笑)
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