2018年02月06日

「人肌ショコラリキュール」蛭田亜紗子

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ちょっとエッチな短編集です。
元カレに似ているという理由で付き合っている今の彼氏。
優しい彼氏ですが、エッチのときもつねに元カレをダブらせてしまいます。
でもようやく彼氏のよさに気づくのですが、実は彼氏は・・・・。(あなたモドキ)
30歳目前に結婚予定だったOL。
婚約者が変態行為で逮捕され結婚は白紙に。
そんな彼女の現在の“恋人”はヴォルフガングというバイブレーター。
ある日、飲み会の帰りに気になる店主がいる地元の立ち食いそば屋に入るのですが、そこで激しく嘔吐してしまい思わぬ展開に・・・・。(ヴォルフガングとそのほかのこと)
他3編。
う~ん、まあスラスラと読めてなるほどとも思いますが、それで終わりって感じですかね。
特に印象に残るでもなく通り過ぎてしまいます。
本のタイトルも中に同タイトルの作品はなく、意味不明。
甘く苦くほんのり温かくといったイメージなんですかね。
デビュー作も短編集でしたが、そちらのほうが私にはよかったです。
ラベル:小説
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2017年12月04日

「抱擁」日野啓三

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東京の中心部に残っている古い住宅街。
そんな住宅街の谷底のように見える低い場所に、『私』は広い庭に樹木が覆い茂って小さな森のようになっている敷地を見つけます。
その中に建っているのはびっしりと蔦に覆われた古い洋館です。
なぜか私はその洋館に心を惹かれます。
偶然その場で出会った荒尾という男の紹介で私は洋館に案内されます。
住んでいるのは老主人、その息子の嫁である若夫人のたか子、老人の孫である霧子、お手伝いの小田さん。
無口で心を閉ざした少女の霧子に私は関心を持ちます。
それを察した老主人は私に霧子の感情教育のための家庭教師を依頼し、私は引き受けることにするのですが・・・・。
シチュエーションといい登場人物といい、どれも幻想的です。
まず都会の真ん中にある小さな森の(ような)中の洋館という舞台がいい。
そして館内には壺や仮面、甲冑など老主人が世界中から集めた様々な収集品。
登場人物は、生と死を悟ったかのような老人、遺産目当てに露骨な欲を見せる若夫人、そしてガラスのように繊細でなにかを透視しているかのような少女。
そんな中でお手伝いの小田さんはニュートラルといえるでしょうか。
重力を感じさせるような閉ざされた空間で私と少女は何を見、何を感じあったのか。
また生々しい現実はそこにどのように割り込んだのか。
耽美的な非現実感がなんとも心地よいようなシュールな気分にさせる作品でした。
ラベル:小説
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2017年06月09日

「買えない味」平松洋子

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いまや電話やインターネットで簡単に地方の食材が手に入りますよね。
めちゃくちゃ便利な世の中になりました。
なんでも自宅に居ながらにして手に入るのですから。
でも、それでいいんでしょうかね。
地方の珍しいものに手を伸ばす前に、日常の中にある身近な美味しいものにまずは目を向けるべきではないでしょうか。
それは冷ごはんの味わいだったり、だいこんやにんじんの皮のきんぴらだったり、鉄瓶で沸かした白湯だったり・・・・。
そのようなことについて書かれた内容を読んでいると実に味わい深い。
そして食にまつわる道具についても書いておられます。
例えば箸置きであったり、取り皿などの器であったり、土鍋、片口、飯櫃・・・・。
そういうのも含めて味を楽しみましょうと。
味というよりは食ですかね。
灯台下暗しといいますか、どうしても身近なものはその価値を見逃しがちです。
お金を出して満足感を買うのもいいですが、買えない味があるというものも知っておくべきでしょう。
ラベル:グルメ本
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2016年10月20日

「平松洋子の台所」平松洋子

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料理にまつわる道具について書かれたエッセイ。

なのでタイトルが台所なんですね。

表紙の写真はブリキの米びつです。

そうそう、昔はこれでした。

米を袋から流し入れるときのザーッという音。

そして枡で米を量って釜に入れてましたっけ。

懐かしい。

著者は家族に顰蹙を買いながらも電子レンジを捨てたといいます。

牛乳を温めるときは小鍋で、ごはんを温め直すときは蒸篭を使えばいいではないか。

不便です。

ですがそんなのはもういいだろうと。

湯を沸かすのは鉄瓶で、ごはんを炊くのは土鍋や石釜で。

昔は皆そうでしたもんね。

電子レンジは大変便利ですが風情はありません。

そんなこと言ってられるかというのが大半の意見でしょうが、それだけ現代人には時間的余裕も精神的なゆとりもなくなってしまったということでしょう。

この本ではいろんな味わいのある道具を紹介しておられます。

時間の短縮や利便性だけにとらわれない道具の選択。

その中での暮らし。

そういうのが豊かな生活なのかなと思ったりもします。

ラベル:グルメ本
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2016年06月16日

「あなたがいてもいなくても」広谷鏡子

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放送局で事務職をしている倫子。

3年近く一緒に暮らしていた同じ局のディレクター達彦をガンで亡くします。

一緒に暮らしていたといっても達彦には妻子がいました。

不倫です。

その3年間は2人にとってどのような日々だったのか・・・・。

話は達彦の葬式から始まり、出逢いに向かって遡っていくという構成です。

そして最後にまた現在へ。

しかしなんともピュアといいますか純愛といいますか。

いや、不倫しておいて純愛もないんですけどね。

話自体が浄化されたような純粋さです。

とにかく悪い人が出てこない。

達彦は妻がいるというものの倫子を決して都合のいい女扱いしているわけではなく、その想いは純粋です。

倫子が達彦の妻を訪ねていっても妻は逆上することもなく。

達彦の前に田口というプロデューサーと付き合っていた倫子ですが、達彦は田口と一緒に仕事をすることになり2人の過去を知ります。

つまり倫子は田口の“お古”なわけですが、そんなことを気にする達彦ではありません。

また田口も倫子と達彦の関係を温かく見守っています。

仏のような人たちですね。(笑)

この作者の作品は以前に「花狂い」「不随の家」という2冊を読んでいるのですが、それらはもっと読者に問いかけてくるような雰囲気があり、また考えさせられもしました。

ですがこの「あなたがいてもいなくても」にはそのようなのがありません。

裏がなく、ひたすら2人の深い愛を読ませられます。

ここまで徹底的に書かれますと、いやもう参りましたというほかありません。

実際これはこれでアリな読み応えあるいい恋愛小説だと思いますけどね。

ラベル:小説
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