2014年05月02日

「片側の未来」広瀬もりの

Cimg2378

千夏は21歳のOLです。

なぜかお気に入りの男性には振られ続け、今回もまた告白したものの断られてしまいました。

落ち込んで帰宅した翌朝目が覚めてみると、なんと元同僚の槇原くんが旦那様で、しかも2人の女の子の母親になっていました。

そこは6年後の世界で、その6年間の記憶がすっぽりと抜け落ちているのです。

OLからいきなり2児の母親として、専業主婦として、槇原くんの妻として、千夏はどのようにすればいいのか頭はパニック・・・・。

6年のキャリアがある夫婦でありながら、千夏にとって槇原くんはただの同僚というのがミソですね。

愛なんてないのにこれから一緒に生活していかなければならない。

新婚ものとはまた違った初々しさとかドタバタ感とかがあります。

そして懸命な槇原くんにだんだんと惹かれていく千夏の気持ちの変化が読ませどころになるのでしょうか。

この作品はエタニティ文庫の赤マークということで『一定以上の性描写あり』というカテゴリー。

夫婦ですから当然槇原くんはエッチを要求してくるわけですが、千夏にとっては昨日(6年前)までただの同僚。

そんなことをするなんて考えられないのですが、いつまでも拒否し続けるわけにもいかず。

ということでエッチなシーンも散りばめてあるのですが、フェラの描写がないのは片手落ちといわねばなりますまい。(なにがだ 笑)

まあ結局は『長身でスーツが似合い周りの奥様が羨ましがるカッコイイ旦那様の奥さんがわたしなんかでいいの?』というお決まりな謙遜ナルシズムカタルシスな話だったりするわけですが。

けっこう楽しめましたけどね。(笑)

posted by たろちゃん at 02:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 『ひ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月29日

「おとなの味」平松洋子

Cimg2362

エッセイストでありフードジャーナリストでもある著者の食エッセイ。

読み応えのある内容でした。

軽くはなく、かといって重くもなく。

けっこう創作も入っていますかね。

ちょっとナルな文章が鼻についたりもしましたが。

カラー写真も綴じられており、こういうのは読者として嬉しい。

やはり写真があったほうが満足感があります。

内容もバラエティがあり、楽しめる一冊でした。

ラベル:グルメ本
posted by たろちゃん at 02:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 『ひ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年12月11日

「自縄自縛の私」蛭田亜紗子

Cimg2289

短編5編収録。

表題作がデビュー作です。

自分で自分を縛るのが趣味(?)な30代の女性。

最初は部屋の中だけでやっていたのですが、やがて出勤時にも服の下に縄を仕込むようになります。

それを上司に見られてしまったり。

『自縄自縛ブログ』というのも開設し、同じ趣味の中年男性と知り合いメールのやり取りをするようになるのですが・・・・。

その他の作品もやはり特殊な性癖を持つ人物の話です。

セックス相手の精子の入ったコンドームを冷凍保存する女、ラバーコスチュームで全身を包む女、婚約者のマンションに他所の男を連れ込んでセックスする女、など。

それぞれ独立した話ですが、他の話と接点があったりもします。

誰にも他人には言えないような癖があったりするんだなと。

フェチといいますか。

それぞれの人間のミクロな部分を覗き見るような作品集です。

どの作品にもなんだか孤独感というか寂しさというか渇望のようなものを感じます。

主人公たちの性癖はそれらを満たすためのオアシスなんでしょうか。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 04:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 『ひ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月16日

「ホンの幸せ」氷室冴子

Cimg2276

いろんな雑誌に書かれたエッセイや文庫本の解説などがまとめられてあります。

タイトルから察せられるようにメインは本についての文章です。

正直言いまして内容に関してはあまりピンとこず。

私にとってはイマイチでした。

氷室冴子氏といえばコバルトで活躍された作家さんで私もリアルタイムで「クララ白書」や「雑居時代」を読みましたけど、どうも馴染めなかった印象があります。

その後、平安の貴族物やファンタジーのほうにいかれてからはまったく読んでいません。

それらのジャンルに興味がないのもありますが、なんだかあまり相性が合わないんでしょうね。

というわけで本書もどうも入り込んで読めませんでした。

すみません。

ちなみに氷室氏は51歳という若さで逝去。

早すぎますね・・・・。

ラベル:書評・作家
posted by たろちゃん at 01:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 『ひ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年09月16日

「幻夜」東野圭吾

Cimg2234 

水原雅也の父親は閉鎖した工場と借金を残して自殺します。

葬式にやってきた叔父は生命保険の金を目当てに借用書をちらつかせます。

そんなときにあの阪神淡路大震災が襲ったのです。

雅也は瓦礫の下敷きになった叔父のポケットから借用書を抜き取り、まだ息のあった叔父の頭に瓦を叩き付けて殺害します。

「これで借金はちゃらになる・・・・」

ところがそれを目撃していた女がいたのです。

女の名前は新海美冬。

二人は一緒に行動するようになり、東京に出ます。

美冬はその美貌と頭のよさを武器に、そして犯罪にさえ手を染め、どんどんと社会の上へと登っていきます。

もちろんその手伝いをするのは雅也です。

しかし雅也は美冬のあまりにも大胆で冷めた行動に逡巡し、自分に対する愛情に疑問を持ちます。

そしてそもそも美冬という女は何者なのか。

美冬の行動を訝しみ周辺を嗅ぎ回る刑事、そして雅也もまた美冬の正体を知ろうとするのですが・・・・。

この作品は「白夜行」の続編といわれていますね。

「白夜行」を読んだのはずいぶんと前であまり内容は覚えていないのですが、そういえば美冬と「白夜行」の雪穂のキャラは共通しています。

まあ続編であろうがなかろうがどちらでもいいのですが、私はこの作品のほうがよかったです。

細かいツッコミどころはありますが、しかし780ページというブックカバーに収まらない分厚さにもかかわらず(笑)、まったくだるさを感じさせずに読めました。

これはこれで独立した作品として、誰しもが楽しめる佳作ではないでしょうか。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 04:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 『ひ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする