2015年09月19日

「幻想郵便局」堀川アサコ

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短大を卒業し友人たちが皆就職する中、就職浪人をしているアズサ。

結局のところ人間というのはなりたいものになるのだから、あせって決めなくてもいいと両親は寛容です。

しかしなりたいものがわからない。

ある日、学校の就職課からアズサを名指しで求人の依頼が来ていると連絡を受けます。

履歴書の特技欄に『探し物』と書いたのが目にとまったとのこと。

それは山の上の郵便局からでした。

その『登天郵便局』でアルバイトすることになったアズサですが・・・・。

うん、まあ、ほのぼのとしたファンタジーですね。

いろんな人物との出会いがあり、不思議な体験があり。

作者の得意ジャンルと思われるあの世この世の話です。

個人的には読んでいて郵便局の存在や役割がどうも曖昧で。

アズサの特技が『探し物』という設定もなんだかポテンヒットですし。

この程度のための複線? と思ってしまいました。

いろいろとエピソードは詰め込んでおられるんですけどね。

キャラはけっこうよかったですけど、読み終えて「ああ、そう」という以上のものはありませんでした。

ラベル:小説
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2015年07月19日

「おすすめ文庫王国2014」本の雑誌編集部

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2013年度に出版された文庫本のベスト10特集です。

いろんなジャンル、そしてテーマ別にベスト10を選出しています。

もちろんそれは各選者の主観によるものですけどね。

本好きにとってはこういうのはとても楽しい。

こんな本があったのかという発見がありますし、知っていても食指が動かなかった本に改めて興味を持ったり。

「そういえばこの本購入してたぞ」なんて未読の山の中から引っ張り出してきたり。

ときどきページをめくりつつ、今後の読書の参考にしたいと思います。

ラベル:書評・作家
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2014年12月04日

「岬バーガー」本馬英治

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涼は高校2年生。

サーファーです。

親友のケンと地元の「岬下」と呼ばれるポイントでサーフィンをしています。

ある日、その岬に南雲という男が現れ、手作りで小屋を建てハンバーガースタンドをオープンさせました。

ハンバーガーは美味しくサーファー仲間のうちでも評判になり、涼、ケン、そして女の子の凛が店を手伝うことになります。

しかし岬にリゾートホテルが建つことになり、南雲の店は立ち退きを迫られます・・・・。

飾り気のない淡々とした文体で描く青春小説。

それが清々しくてよかったです。

ただ最後がねぇ。

立ち退きの噂を聞いてあちこちからサーファーが集まり、励ますために店の前にサーフボードを積み重ねていく。

感動的な展開です。

んでこの結末ですか・・・・。

膝からガクッと崩れ落ちるような結果でした。

集まったサーフボードはどうなったのよと。

そのあとに余韻的なラストを書かれてもなぁ・・・・。

ラベル:小説
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2014年10月29日

「食べるが勝ち!」星野知子

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著者があちこちの国で食べたいろんな料理。

とはいっても美食の国(街)というわけではありません。

例えばシリア。

ここにはラマダンという断食月があります。

断食する案内役を横目に著者はなにを食べたのか。

中国の奥地、標高5千メートルの青蔵高原では高山病でふらふらになりつつ、しかし下山して思ったのは薄いながらも酸素が最高のこちそうだったと。

インドでは衛生上の問題があると仕事のスタッフから屋台禁止令を出され、しかし仕事を終えたあとはソッコーで屋台に飛び込む・・・・。

食に関してはかなり好奇心旺盛な著者です。

そうですよね、食というのはまず好奇心ですから。

今まで食べたことのない料理を食べてみたい。

食いしんぼうに共通する考えです。

外国に行って何を食べたいか。

観光客向けのレストランの料理ではなく、地元の人がごく普通に食べている料理です。

家庭であったり屋台であったり大衆食堂であったり。

著者の趣旨には大賛成です。

でも日本から持っていったインスタント食品の美味しさに改めてありがたさを感じたりもしておられます。

そう、飽食日本ではインスタント食品を小馬鹿にする食通気取りがいますけども、いざまともな食事ができなくなったとき、どれだけ美味しく便利でありがたい存在であるか。

積極的に食べるべきものではありませんけどね。

この本はまえがきが「いただきます」で始まります。

そしてあとがきは「ごちそうさまでした」で終ります。

どちらも料理、素材の命、そして作ってくださった人に対して感謝の意を表す素晴らしい日本語です。

それをしっかりと理解しておられる著者もまた素晴らしい。

ラベル:グルメ本
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2014年05月04日

「プレーンソング」保坂和志

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付き合っていた女の子と一緒に住もうと思って2LDKの部屋を借りたものの、引越しする前に振られてしまい1人で住むことになった「ぼく」。

ある日部屋の掃除をしていたら窓から覗き込んでいた子猫が気になり、それから餌を与えたり話しかけたりするのですが子猫は気まぐれです。

コミュニケーションが取れているんだかいないんだか。

そんなある日友人のアキラが彼女を連れてやって来て、ぼくの部屋に居付くことになります。

2人の面倒を見られるくらいの給料はもらっているからまあいいかと。

そんなのらりくらりしたぼくの冬から夏にかけての物語です。

なんとも説明の仕様がない小説ですね。

内容がない。

ふわふわと毎日を過ごすぼくや友人たち。

このふわふわさとか曖昧さか優柔不断さは徹底されています。

主人公の名前はいっさい出てきません。

会社に勤めていますがなんの仕事か明らかでない。

毎朝決まった時間にきっちり出勤しているわけでもなさそうです。

ぼくの周りに集まってくる友人たちもブラブラしているだけの人たちです。

焦燥感などまったくなく、猫に餌をやったり競馬をしたり、のどかな毎日。

ただそれだけを書いた小説なんですね。

山あり谷ありのエンターテイメント小説もあれば、このようなただ日常を描いただけの小説もまたありなんだなと思いました。

雰囲気的には村上春樹をもっと薄くした感じですかね。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 04:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 『ほ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする