2012年08月26日

「この人の閾(いき)」保坂和志

Cimg1986

短編集です。

表題作は芥川賞受賞作。

30代後半の主人公は仕事である人物を訪ねるのですが留守にしており、時間をつぶすために同じ街に住む10年ぶりの女友達を訪ねます。

その家で草むしりをしたり学生時代の昔話をしたり家庭の話をしたり。

まあそれだけの話なんですけどね。

閾というのは「門の内と外をくぎる境目」とか「精神的な感覚の境目」とかそのような意味があるようです。

要は境目とか境界線といったことなのですが、誰しも生活においてそのようなものを持っているはず。

その人にはその人の閾があるはずです。

庭付きの家に住む専業主婦のそんな閾をこの作品は描いています。

車谷長吉がこの作品に芥川賞を取られ嫉妬し「毒にも薬にもならない」とこき下ろしましたが、まあわからないでもない。(笑)

特になにが起こるでもなくゆらゆらのんびりとした日常と会話があるだけです。

他の収録作もみんなそう。

しかしそれがなんとなくぬるま湯のようなそよ風のような、うとうとするような心地よさにも感じられるんですよね。

純文学ならではでしょうか。

ラベル:小説
posted by たろちゃん at 06:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 『ほ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年10月30日

「特集・本の雑誌1 出版業界篇」本の雑誌編集部 編

Cimg1454

椎名誠が編集長を務める「本の雑誌」から特集を抜粋し、まとめたものです。

第1巻は「出版業界篇」。

出版業界のいろいろが書かれています。

「なんぼのもんやねん! 文学賞」、「出版社の評判」、「21世紀書店改造計画」などなど。

この業界に興味のある人は一読してみてもいいのではないでしょうか。

ラベル:本・書店
posted by たろちゃん at 17:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 『ほ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月30日

「〈風俗〉体験ルポ やってみたら、こうだった」本橋信宏

Cimg1297

巷の怪しげな風俗にライターとしての立場を明かしてではなく、一人の客として取材してみるという企画です。

夕刊紙の3行広告や伝言ダイヤル、超高級デリバリーヘルス、会員制秘密倶楽部、宅配裏ビデオなどなど・・・・。

人妻風俗では亭主も子供もいる主婦、スチュワーデス専門デリヘルではちゃんと本物のスチュワーデスが働いています。

すべてはお金のため。

たくましいですねぇ、女というのは。

しかし取材費使い放題というのは羨ましい。

今では考えられないことでしょうけど。

風俗に潜入取材という企画は特に目新しいものではありませんが、高級ホテルに部屋を取り10万円払ってホテルの玄関にリムジンを横付けさせるなど、なかなか普通の人に体験できるものではありません。

そういう意味では読者に変わって未知の世界を紹介してくれるこの様な企画はそれなりに意味があるかと。

しかしこの著者も経歴長いですねぇ。

昔は「ビデオ・ザ・ワールド」でお世話になってました。(笑)

posted by たろちゃん at 13:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 『ほ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする