2019年10月24日

「きれぎれ」町田康

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『俺』は絵描きとのことですがろくに絵なんか描いていません。
ランパブに通い詰め、絵の具を買う金さえなく、実家の陶器店や友人たちに借金してまわるような体たらくです。
母親が設定した見合いも出された鰻をちゅるちゅる吸って食べ、ぶち壊しにする有様。
そんな中、自分よりもヘタクソな絵を描いていた吉原が一躍脚光を浴びて。
しかも吉原の妻になったのが自分がぶち壊した見合いの相手です。
そんな吉原にさえ金を借りに行くような有様で・・・・。
この作者の作品は何冊か読んできましたけども、これがいちばん難解ですね。
現実と妄想が入り交じり、なんともシュール。
ただ主人公がどうしようもないクズ(笑)だというのは一貫していますね。
自堕落でドタバタゴロゴロと人生を転げ落ちていく。
芥川賞受賞の表題作と、もう1編「人生の聖」という作品が収録されています。
まだこちらのほうが読みやすいように思いましたが、しかし内容といえばこれまたハチャメチャで。
頭蓋骨を切除してクリアーな強化プラスチックをはめ込み、脳みそ丸見えのスケルトンにしてみたりとか。
いや、もう。
さて、この表題作、芥川賞でどのように評価されていたのかと調べてみますと、やはり宮本輝氏がブチ切れておられましたね。(笑)
さもありなん。
この人、三島賞の選評でも舞城王太郎の「阿修羅ガール」に「ええかげんにせえや!」とブチ切れておられましたもんね。
わからないでもない。
町田康にしろ舞城王太郎にしろ、だめな人にはほんとに耐え難いと思います。
私は町田康の才能というのは特異だと思うんですけど。
中上健次が生きていたらどのように評価しただろうと気になります。
ラベル:小説
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2019年07月28日

「四文屋 並木拍子郎種取帳」松井今朝子

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シリーズ第4弾。
5編を収録です。
千鳥橋の西詰にある屋台の天ぷら屋に立ち寄った拍子郎。
後日その屋台の主人が殺されます。
以前にその屋台の天ぷらが原因で食あたりをおこし、息子を亡くしてしまった男が容疑者として浮かびます。
それと同時に小間物問屋が百両を盗まれるという事件があり、拍子郎の推理によりそれらの事件が結びついていきます・・・・。(四文屋)
タイトルの「四文屋」というのは四文均一で食べ物や商品を商う屋台とのこと。
今でいうファストフードや100円ショップみたいな感じなんでしょうね。
さてシリーズも4作目となりまして、気になるのが拍子郎の今後の身の振り方です。
現在は狂言作者並木五瓶の弟子ですが、元々は武士。
同心をやっている兄からは家督を継ぐようにいわれています。
しかしそのような生活は自分の性に合わない。
料理茶屋の娘おあさと一緒になる決心もない。
今後どのようになっていくのでしょうか。
このシリーズは数年に一冊のペースで刊行されていますが、本作が出たのは2012年。
もう7年にもなりますね。
ちょっとあいだが長い。
そろそろ次作が出てもよさそうですが。
ラベル:時代小説
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2019年05月17日

「変な給食」幕内秀夫

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最近の学校給食ってほんと変ですよね。
献立見て思います。
これは全国区の現象のようですね。
この本を見ましても、もうとにかく組み合わせがむちゃくちゃです。
カレーうどん、アメリカンドッグ、小倉白玉、牛乳ってなんですかこれ。
コッペパン、みたらしだんご、肉じゃが、牛乳って。
一応は栄養士が献立を作っておられるようですが、栄養士にも受験勉強の弊害が出ているのでしょうか。
知識だけ頭に詰め込んで勉強して栄養士合格。
しかし食事ということをまったく理解していない。
なんでもかんでもとにかくトータルで栄養のバランスが取れていればいい。
そんな考えのようですが、栄養バランスさえとれていない。
ましてや味覚のバランスなど皆無です。
こんな栄養音痴味覚音痴な人たちが子供たちの給食なんか作っていいのでしょうか。
この本は実際に学校で出された変な給食を再現し、すべてカラー写真で紹介しておられます。
まったく笑えます。
これだけならただのトンデモ紹介本です。
しかし著者は幕内秀夫氏。
ただの笑い話で済ませるはずはなく、きっちりとコラムやまともな給食を実現している人たちの執筆でこのバカな実態を批判しておられます。
もっと米を食べるべきだという指摘には私も大賛成です。
給食をパンではなくごはんにするべきだと。
そう、主食をパンにするから変な組み合わせのおかずになるんですよね。
そしてなにを皆勘違いしているのか、最近は米を悪者視する傾向があります。
なにをかいわんやです。
ごはんを食べると太ると思い込んでいる人が多いようですが、ごはんを食べて太った人などいないという著者の指摘はまさにその通りだと思います。
メタボだ肥満だ糖尿だなんてのはごはんのせいではなく、ジャンクフードやら清涼飲料水などのせいです。
大人がそのような偏見偏食をしていて子供に食育ができるわけありません。
家庭でも学校給食でもまずはごはん。
和食を心掛けるべきでしょう。
ラベル:グルメ本
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2019年01月21日

「葬儀の日」松浦理英子

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主人公は葬式に雇われて泣く『泣き屋』です。
そのライバルといいますか、表裏一体なのが『笑い屋』。
仕事のたびに必ず顔を合わせる存在です。
ところが昨日の葬式に彼女は来ませんでした・・・・。
これはどう解釈したらいいんでしょうね。
『笑い屋』の彼女というのは実際に存在したのか。
それとも『泣き屋』の彼女の心の中の存在なのか。
表題作他2編収録ですが、私は「肥満体恐怖症」がよかったです。
大学の女子寮に肥満の先輩3人と同室する肥満を嫌悪する主人公。
先輩たちにさんざんいびられるのですが、ひたすら辛抱し、こっそりと些細な復讐をします。
もう1編の「乾く夏」という作品もそうなんですけど、どれにも男性を拒否しているといいますか、嫌悪しているようなところがありますね。
女性の同性愛的な雰囲気があります。
といってもレズビアンとかそういうのではないのですが。
男性崇拝の否定みたいな感じでしょうか。
ラベル:小説
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2019年01月15日

「教科書に載っていないUSA語録」町山智浩

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週刊文春の連載コラムを文庫化。
2009年~2012年分が収録されています。
著者はアメリカのカリフォルニア州に在住。
日常生活やテレビ、ラジオで耳にした気になる言葉を紹介しておられます。
たいがい失言やあまりいい意味でつかわれることのない言葉ですけどね。
だからこそ笑えます。
日本でも政治家や芸能人がついついポロッと失言してしまうことがよくあります。
ネット社会になって誰でも気軽に発言できるようになったのでなおさらでしょう。
ちょっと前にも某お笑い芸人が審査員の大御所芸人に対して失言し、大きな問題となりました。
これは海外でも変わりません。
口は災いの元とはよくいったものです。(笑)
ラベル:エッセイ
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