2019年03月12日

「羊と鋼の森」宮下奈都

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高校時代にたまたまピアノ調律師の板鳥さんと出会った外村。
その仕事に魅せられた外村は調律師を目指し、専門学校に通い、板鳥さんのいる楽器店に就職します。
調律師としてのスタートです。
憧れの板鳥さんとはなかなか顔を合わせる機会もありませんが、それぞれ個性を持つ先輩たちの下で外村は調律師としての修業を始めます・・・・。
まずタイトルなんですが、「羊と鋼の森」なんてどんな内容なんだと思いますよね。
それがピアノの調律師のお話なんです。
読んでいきますとタイトルに込められた意味と思いがわかります。
主人公の外村がピアノの調律という仕事に惹かれ、3人の異なる個性を持つ先輩たちの言動や仕事を目の当たりにし、調律師として成長していく過程を描いています。
そしてふたごの姉妹。
この姉妹の存在が一段と外村の情熱を強くします。
姉妹と変に恋愛話にならないところがまた清々しくていい。
2016年の本屋大賞を受賞したということで、たしかにいかにも本屋大賞好みな内容ではあります。
じんわりと心に染み入るいい小説でした。
ラベル:小説
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2019年03月02日

「ビブリア古書堂の事件手帖6 ~栞子さんと巡るさだめ~」三上延

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栞子から太宰治の「晩年」を奪うために階段から突き落とした田中敏雄。
おかげで栞子はいまだに杖をついて歩かなければなりません。
そんな田中から脅迫めいた手紙がビブリア古書堂に投げ込まれます。
五浦は田中に会いますが、手紙はどうやら田中ではなさそうです。
では誰が騙っているのか。
逆に田中は違う「晩年」を探してくれと依頼します・・・・。
シリーズ第6弾。
どんどんマニアックになってきましたね。
もともと古書を扱った作品ですからなんら路線は間違っていないのですが、ちょっと一般読者にとっては入り込み過ぎかなという気がしました。
逆に言えば古書マニアにはたまらないのかもしれませんが。
なにしろ太宰ですからね。
そしてアンカットがどうとかこうとか。
このあたり難しい所です。
いよいよ次巻で最終ですが。
まあ潮時でしょう。
さて、どのようにまとめるのか。
また時間をおいて読ませていただきます。
ラベル:小説 本・書店
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2019年02月14日

「隣に誰かさん。」深月織

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もうすぐ30歳になる葛城透子。
男と付き合うのは面倒くさい、男なんていらない。
口癖のように言い続け、「葛城透子に恋愛話は馬に念仏」とまでいわれています。
そんな透子の趣味は紅茶。
家の近くにある紅茶専門店『織苑~orien~』に通い詰めています。
4歳年下の美形で柔らかな微笑のマスターが淹れる最高の紅茶に癒される毎日。
年下のかわいい男性や玉の輿の男性が現れたりもするのですが、透子の心の中にはいつの間にか・・・・。
透子さんのキャラがなかなかいいですね。
恋愛嫌いでちょっと鈍感。
そして一本筋が通ったような性格。
なかなか魅力的です。
話の内容は他のエタニティに比べるとけっこうストレートに思えました。
お互いの勘違いやライバル登場による白々しい心の行き違いなどが抑え気味でしたので。
ヒロインが「美人でもないわたしなんかどうせ・・・・」と自虐的になるのは定番ですからね。
それでも御曹司なんかがちゃんと手を差し伸べてくれるという。(笑)
そのようなクサイ芝居がなかったのはよかったです。
紅茶とスイーツのエピソードなんかもさりげなく上手い。
エッチなシーンはやや控えめですが、バランス的にもこれでいいか。
すっきりと楽しめました。
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2018年12月13日

「ああ、堂々の自衛隊」宮嶋茂樹

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不肖・宮嶋、堂々のデビュー作です。
まず第一部ではPKOでカンボジアに派遣される輸送艦『みうら』に同乗し、艦内の自衛隊員たちを取材。
『みうら』の規模は2000トン。
青函連絡船が5000トン、東京⇔和歌山間のフェリーが1万数千トンとのことで、しかも『みうら』は船底が平ら。
つまり波が高くなるとかなり大変なことになるわけで。
そんな中での取材が始まります・・・・。
途中台風に見舞われたりしてとんでもない目に遭ったりするのですが、しかしそこは不肖・宮嶋、なんともまあ面白おかしく描いておられます。
爆笑の連続ではありますが、自衛隊員の大変な任務もきっちりと伝えているあたりはさすが。
第二部ではいったん凱旋した不肖・宮嶋、第二次出征です。
カンボジアはタケオ基地を取材。
基地の近くに小屋を建て、密着取材です。
これまた現地の取材でしかわからない実態をしっかりと書いておられます。
日本に居ながら現地の実態もわからず、自衛隊がどのような苦労をして活躍しているのかも知らずに派遣を批判する人たち、のんきに見学にやって来るピースボートやわざわざ反対の横断幕を持って批判に来る日本人市民連合の連中、大朝日や大毎日への強烈な皮肉は痛快です。
さすがの宮嶋といえましょう。(笑)
もちろん写真も掲載されており、いい写真を撮られますね。(というか、それが本職)
自衛隊員たちや現地の子供たちの笑顔、凱旋した自衛隊員たちと家族との再会の写真など、ぐっとくるものがあります。
posted by たろちゃん at 04:40| Comment(0) | 『み』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年09月08日

「マサヒコを思い出せない」南綾子

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わがままで自分勝手な男、マサヒコ。
そんな彼と関わった6人の女性たちの物語です。
私の体を通り過ぎて行った男・・・・といったところなんでしょうか。
それを乗り越えて新い一歩を踏み出す、と。
各編にマサヒコという男が登場するわけですが、それぞれ年齢も立場も違います。
マサヒコという同一人物の女遍歴かもしれませんし、女たらしなダメ男の象徴としてマサヒコという名の男が描かれているのかもしれません。
でも正直言いまして、だからどうなのという印象です。
以前に読んだ「夜を駆けるバージン」もそうなんですが、あと一歩なにか物足りないんですよね。
中身が薄いといいますか。
ま、これは好みの問題なのかもしれませんが。
ラベル:小説
posted by たろちゃん at 01:00| Comment(0) | 『み』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする