2018年01月21日

「日本焼肉物語」宮塚利雄

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誰もが好きな焼肉ですが、さて焼肉という料理はどこから来たのか。
そもそも日本人はいつごろから肉を食べ始めたのか。
そういうところから始まりまして、焼肉という料理や焼肉屋の歴史を徹底的に調査した一冊です。
焼肉といえば朝鮮・韓国料理というイメージを持っている人も多いと思いますが、そもそも韓国には日本式の焼肉はないんですね。
カレーライスやトンカツなどの洋食と同じように、日本人が自分たちの口に合うようにアレンジされた料理です。
そもそも朝鮮の焼肉にはカルビくらいしかなかったとか。
日本のようにロースだなんだといろんな部位を焼き、つけダレで食べるというのは日本のオリジナルだそうで、これは例えばすき焼きに溶き卵をつけて食べるような習慣が焼肉においても定着したのだろうと。
川崎のコリアンタウンにある老舗の焼肉屋主人によると焼肉はやはりタレで食べるのが最高とのことで、塩で食べる人もいますがステーキならともかく焼肉に塩は合わないとのことです。
私もこれには賛成で、塩で食べるのが通みたいな風潮には反対したいですね。
タレで食べてこそ焼肉だろうと思います。
というわけで日本のタレ産業についてもページが割かれており、焼肉のタレといえばやはり「エバラ焼肉のたれ」と「モランボン ジャン」ですね。
これらのタレが出てきたときのことは私も印象に残っています。
家庭での焼肉の普及に大きく貢献したと思います。
焼肉屋では無煙ロースターの登場でしょう。
煙もうもうの中で食べるのもいいものですが、やはり服や髪に匂いが染み付くのを敬遠する人は多い。
この無煙ロースターのおかげで女性客や家族づれも増えました。
いやしかし、この本を読んでいたら無性に焼肉が食べたくなってきました。(笑)
ラベル:グルメ本
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2018年01月17日

「泥の河 蛍川 道頓堀川」宮本輝

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3冊分を一度に読めるお得な一冊。(笑)
大阪の堂島川と土佐堀川がまじわるあたりに住んでいる8歳の信雄。
家は食堂を経営しています。
信雄は近くの橋の下に繋がれている舟に住んでいる喜一という少年と友達になります。
病弱な母と姉と暮らしている喜一。
3人はどのようにして日々の暮らしをたてているのか。
信雄の家が店仕舞いをして明日引っ越そうというある日、喜一の住む“家”がポンポン舟に曳かれていきます。
ひたすら追いかけて呼びかける信雄・・・・。(泥の河)
舞台は北陸富山。
竜夫の父重竜は若い頃は北陸でも有数の商売人でしたが、やがて事業に行き詰まり60歳を過ぎた今はもう立て直す気力もありません。
やがて重竜は亡くなり、竜夫と母の千代が残されてしまいます。
今後の生活をどうするのか。
そんな中、竜夫は近所の銀蔵爺さん、幼馴染みの英子、千代と一緒に一生に一度といわれるほどの蛍の大群を見に行きます。
竜夫たちが目にした光景は・・・・。(螢川)
武内というマスターが宗右衛門で営むリバーという喫茶店で働いている邦彦。
就職も決まらずマスターの誘いもあって、このままリバーで働いていくかとも考えたりしています。
武内には政夫という息子がおり、邦彦とは友達です。
政夫はあまり家にも寄り付かず、武内との関係はうまくいっていないようです。
武内は昔、賭けビリヤードで生計を立てていた時期があり、その血を引いてか政夫も同じ生活をしています。
その2人が大晦日の夜にビリヤードで対決することになるのですが・・・・。
タイトルからわかるように、どの作品も川を背景としています。
出会い、別れ、友情、男と女、親と子、今後の人生、いろんなテーマが描かれています。
どれも決して明るい話ではありません。
どんよりとしたイメージですね。
ですが独特の風情を感じるのは決して時代のせいだけではないでしょう。
もちろん作者の持ち味あってのこと。
やはりこんなじゅわっと味が沁み出るような小説が私は好きですね。
ラベル:小説
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2018年01月13日

「セレモニー黒真珠」宮木あや子

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葬儀屋『セレモニー黒真珠』の3人の従業員。
葬儀での振る舞いが完璧なアラサー女子の笹島。
火葬場の煙突から出る煙が好きで迷うことなく葬儀屋に就職したメガネ男子の木崎。
ワケありの過去がある派遣女子の新入り妹尾。
そんな3人が織りなす連作短編形式の葬儀屋ストーリー・・・・。
葬儀屋が舞台の小説ってちょっと珍しいですよね。
この作者の作品は過去にデビュー作から何冊か読んでいますけども、ちょっと今までの路線とは毛色が違っています。
ややコメディタッチですがドタバタというわけではなく、けっこうしんみりと読ませてくれたりもします。
なかなか内情を知ることのない業界ですので、思いのほか興味深く面白く読めました。
シリーズ化してもいいんじゃないかと思いましたがどうでしょうか。
ラベル:小説
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2018年01月01日

「ビブリア古書堂の事件手帖5 ~栞子さんと繋がりの時~」三上延

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前作で栞子に気持ちを打ち明けた大輔。
しかし返事は「あと少し待ってほしい」と。
やきもきしながらも不安な大輔ですが、店では相変わらずいろんな事件が発生します。
そして栞子の母親である智恵子が接近し、謎めいた言葉を残して去っていきます。
また、過去に栞子に傷を負わせた男から手紙が・・・・。
栞子と大輔の関係、そして母智恵子との関係。
これらがじわじわと核心に迫ってきています。
最後の引きもちょっと不気味ですね。
そのような話以外にも当然本にまつわるエピソードが描かれ、栞子が謎を解決するというパターンは健在。
今回取り上げられている本はリチャード・ブローディガン『愛のゆくえ』(新潮文庫)、『彷書月刊』(弘隆社)、手塚治虫『ブラック・ジャック』(秋田書店)、寺山修司『われに五月を』(作品社)です。
話もいよいよ終盤に入ってき、目が離せなくなってきました。
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2017年07月27日

「日曜日の住居学 住まいのことを考えてみよう」宮脇檀

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著者は建築家。
サブタイトルにあるように「住まいのことを考えてみよう」ということで、ハード面よりもソフト面から考えてみようという提案です。
ハード面というのは構造であるとか設備であるとかインテリアであるとか。
住居を論じる場合、たいがいそのようなハード面の羅列であると。
そういう部分だけで捉えればよいというわけではなく、この家族はどういう生活をし、どんな団らんがあり、そのためにはどのような場が用意されればいいのか。
著者は建築家という立場から施主と真正面から向き合い、そのようなソフト面を追求してきたとのこと。
私にはあまりピンときませんが。
ただ住居にもやはり流行りがありますから、皆右へならえ式にあんな家に住みたいとなりますね。
で、売る側もそういうのに合わせて同じような家をせっせと建て売りする。
間取りについては同じ値段なら部屋数が多いほうが売れるそうで、業者もただでさえ狭い全体を4畳だ5畳だ6畳だとさらに細分化する。
なるほど、いわれてみれば確かにそうですね。
いくら部屋数が多くてもせせこましい気がします。
そして部屋は南向きが良いとされ、南側だけに窓を取ることに気を使い、北に窓を取るのを忘れて夏は暑さにうだってしまうなんて例もよくあるようです。
太陽の光は大切ですが、だからといって四六時中照らされているのもどうなのかと。
極端に走りすぎるんでしょうね。
部屋数だ南向きだと。
ただ住居というのはローンにしろ家賃にしろ庶民の生活費に大きなウェイトを占め、なかなか贅沢はいえないわけですが。
ラベル:エッセイ
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