2017年05月04日

「白いへび眠る島」三浦しをん

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高校最後の夏、13年ぶりの大祭が行われる拝島に帰郷した悟史。
外出する悟史に母親が最近ちょっと物騒なので早めに帰るように言います。
泥棒など存在せず家に鍵などないような集落です。
なんなのかと眉を寄せる悟史に「あれ」が出たと母親が声をひそめて言います。
まさかと思いつつ、心穏やかではありません。
大祭が近づくにつれ、悟史の周りには不穏な雰囲気が漂い始めます。
大祭、白蛇様、集落の長男同士が結ぶ「持念兄弟」という絆。
独特な風習が数多く残るこの島に何が起きようとしているのか・・・・。
怪異譚な青春小説といいますか。
微かにBLな雰囲気もありますね。
やたら「あれ」を引っ張った割にはだからなんなのという印象でした。
閉鎖的で排他的な島という舞台で、ちょっとおどろおどろしい雰囲気の中、冒険小説的な要素も加え少年の友情や自立心などが描かれています。
でもなんかこう盛り上がりに欠けるといいますか。
これといったメイン料理がないままに食事が終わってしまったような物足りなさがありました。
まあ私があまりこういう系統が好きでないせいもあるかもしれません。
でもこれ、作品として成功しているとは言い難いなぁ・・・・。
ラベル:小説
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2016年12月21日

「読書狂の冒険は終わらない!」三上延 倉田英之

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読書狂の2人が語り合う対談形式のブックガイド。
いや、ブックガイドといっていいのかどうか。
特に意識して書評しているわけではなく、本好きがあーだこーだと語り合っているのが読んでいて実に楽しい本です。
テーマに出てくる作品に対して、内容、裏話、その作品に対しての自身のエピソードなど、いろいろ。
さすがにお2人ともよく読んでいらっしゃる。
本好きとしてこういうのは面白いですね。
参考になりますし、刺激されます。
著者の三上延氏は「ビブリア古書堂の事件手帖」がベストセラーの作家、倉田英之氏はアニメの脚本家。
やはり並々ならぬ読書の蓄積があるんですね。
ラベル:書評・作家
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2016年10月22日

「料理を作る仕事につきたい」宮葉子

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現在は料理を作る仕事というのがすごく人気あります。

いま第一線で活躍しておられる重鎮料理人の著書などを読みますと、昔はさほど社会的な地位もなく料理人になりたいなんて言えば親に猛反対されるようなこともあったようです。

ですが現在は料理人といえば一部の人などはスター扱いですもんね。

その扱いの良し悪しはともかく、料理人という職業が真っ当な評価をされるのはたいへん結構なことだと思います。

さて、この本ではそんな料理を作る仕事につきたい人たちに対してのアドバイスになる内容となっています。

若い女性で料理研究家を希望する人が多いみたいですね。

なのでこの本でも料理研究家をメインに取り上げておられます。

まずは各料理人へのインタビュー。

第1章では、加藤千恵(洋菓子研究家)、大森由紀子(フランス菓子研究家)、藤野真紀子(料理研究家)、森洋子(料理研究家)、枝元なほみ(料理研究家)の研究家各氏。

第2章では、「ラ・ボッテガ」(イタリア料理店)大西要愛、パテ屋(洋風惣菜店)林のりこ、フリーバース(ケータリングチーム)馬詰佳香、「カフェ・フードオルガン キナコ」(家庭料理店)伊地知一子の起業家各氏。

第3章では料理の仕事に就くための具体的なアドバイスとして、どういう専門学校があるのか、開業のためにはどのような資金がいるのか、融資を受けるにはどんな機関があるのかといったことに触れておられます。

テレビや雑誌などで華々しく活躍しておられる料理人たち。

そんな上辺だけを見て憧れている人が多いのも事実。

ですがフリーで活躍したり自身がオーナーとなり店を経営していくとなると、たいへんな苦労があります。

それでもやはり好きな仕事にはつきたいですよね。

そんな夢を追いかける人はご一読を。

ラベル:グルメ本
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2016年09月22日

「ビブリア古書堂の事件手帖4 ~栞子さんと二つの顔~」三上延

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ビブリア古書堂に電話がかかってきます。

大輔が出ると相手は栞子の母、篠川智恵子でした。

10年間連絡も無くなにをやっていたのか。

大輔は問いますが簡単なやりとりで電話はプツリと切れます。

電話は店の目の前にある北鎌倉駅のホームからかけてきたようです。

翌日、ビブリア古書堂に智恵子に用事があると女性が訪れ、『特別な相談』があるといいます。

もちろん智恵子はいないので栞子が対応します。

内容は江戸川乱歩の古書についてだとのこと。

大正か昭和の初期に建てられた洋風の別荘といった趣の依頼者の家を訪ねると、そこには膨大な江戸川乱歩のコレクションがありました。

そのコレクションを譲る代わりに金庫を開けて欲しいと依頼されます。

金庫の中には何が、そして開けるための鍵は。

どうやらこの依頼には篠川智恵子も関わっているようなのですが・・・・。

シリーズ第4弾は江戸川乱歩を取り上げた長編です。

それに合わせてかミステリーらしく暗号の謎解きがあったりします。

個人的にはこういうのには興味ないんですけどね。(笑)

今回は栞子の母、智恵子が現れたことが新たな展開といえましょうか。

そして大輔がなんと栞子にデートを申し込み、栞子はそれを受けます。

デートで大輔は・・・・。

2人の仲もじわじわと進んでいます。

これもまたこの作品の読みどころ。

なにより実在の作家や作品が出てくるのがいちばんの魅力ですが。

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2016年09月16日

「スコーレ No.4」宮下奈都

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田舎だと言われたらちょっとむっとするけれど、都会かと言われれば自ら否定しそうな、物腰のやわらかな町に住む津川麻子は中学生。

家は古道具屋を営んでおり、祖母と両親、ひとつ下で小学生の七葉、6つ下の紗英と暮らしています。

そんな麻子の成長を描いた4つの物語です。

スコーレというのはスクールの語源となったギリシャ語だとか。

No.1では中学校、No.2では高校、No.3では大学と就職して派遣された高級靴店、No.4では本社での勤務が描かれています。

平凡な自分と違って器量のいい七葉、学校の友人たち、職場の人たち、恋人。

いろんな場所で、いろんな人たちとの出会いの中で、少女から大人へ。

一人の女性の丁寧な成長物語です。

全編麻子の1人称で書かれているのですが、No.1の中学校時代はやはりちょっと違和感を持ちました。

子供の視線での1人称というのはどうしても無理があると私は思っています。

小学生や中学生がそんな言い回しや物の考え方をするわけないだろと。

なので就職してからのNo.3とNo.4がよかったですね。

語学を生かして輸入貿易会社に就職したものの、現場研修と称して靴屋の販売員に。

なぜ自分はこんなところにぼうっと立っているのだろうと疑問を持ちます。

ですがそれなりにやりがいを見つけ、職場を変えていったりもします。

3年後にようやく本社に戻りイタリアへ靴の買い付けに。

このあたりは真面目で不器用っぽいながらも生き生きとした描写で、麻子という人物の魅力が伝わりました。

全体的に地味ではありますが、爽やかで味わいのある小説だと思います。

ラベル:小説
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