2020年11月15日

「日本の食材 おいしい旅」向笠千恵子

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おいしくて安全な食材や商品を作る生産者たちを追い求め、日本全国を旅してきた著者。
今回もやはり北海道から沖縄まで、全国の生産者を紹介しておられます。
といってもルポタージュ的な堅苦しさはなく、食エッセイとして気軽に読める内容です。
食の安全ということが言われだして久しいわけですが、言うのは簡単実行は難しです。
やはり生産者もできればラクしたいわけですし、少しでも儲けたい。
となるとどうしても安易な生産方法を選んでしまいますよね。
しかし頑なに昔ながらのやり方で手間がかかっても安全な商品を客に届けたいと頑張っている人たちがいます。
著者はあとがきでこのように書いておられます。
「お客がいないと、品物が売れないと、・・・・つまり店がとりあえずもうからないと、おいしいものづくりの蝋燭は一瞬のうちに消えてしまうのです。ギブ・アンド・テイクではありますが、まずはわたしたちが品物を買うことが先なのではないでしょうか。」
まったくその通りですね。
良心的な生産者を支えるのは我々消費者です。
ラベル:グルメ本
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2020年07月29日

「力道山がいた」村松友視

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戦後のヒーロー、力道山。
プロレスラーです。
今の若い人たちにとっては「誰それ?」かもしれませんね。(笑)
リング上でアメリカ人レスラーをめちゃくちゃにやっつけて、一躍ヒーローとなりました。
日本プロレス界の創始者ですね。
ジャイアント馬場やアントニオ猪木も彼の弟子です。
大人気のヒーローであった光の部分と、出生などのプライベートについての闇の部分。
ファンであった著者がいろいろな資料や自身の体験をもとに語っておられます・・・・。
う~ん、かなり著者のプロレスや力道山についての思い入れが強すぎて、読んでいてウザくなってきます。(笑)
けっこう著者の推測で断言しておられる部分も多いですしね。
この著者は「私、プロレスの味方です」という本で物書きとしてデビューした人ですから、その思い入れをわかった上で読まなくてはならないんでしょうけど。
なのでノンフィクションというよりはエッセイとして読んだほうがいいのかもしれません。
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2019年09月14日

「縦横無尽の文章レッスン」村田喜代子

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芥川賞他、数々の文学賞を受賞しておられる作家の文章レッスンです。
大学で文章講座を続けてこられた著者。
それを本にまとめておられます。
いろんな課題を朗読し、そしてテーマを与えて学生に文章を書かせる。
それを紹介し、批評しておられます。
私は別に今さら作家を目指しているわけではありませんが、勉強になりますね。
最初に紹介されている小学生の作文、その解釈。
大学生に対して小学生の作文をテキストにしておられるんです。
大学生からしたらふざけんなという話かもしれませんが、いやいや、小学生の作文のほうがよほど表現力が素晴らしいんですね。
他にもいろんなテキストを取り上げ、講義しておられます。
著者は本書の中でも何度か、いい文章を書きたいなら優れた本を読め的なことを語っておられます。
そりゃそうですよね。
読むという勉強をせずして書こうとしている人が結構多い。
情けない話だと思うのですが、でも個人的には今後そういうふうになっていくと思っています。
本なんて読まない人が思うままの気持ちを書いて小説もどきのような作品を仕上げる。
読むほうもまたまともな小説なんて読んだこともないから、そのような作品を読んで感動する。
実際にありましたよね、そのような例が。
でも、やっぱりちゃんとした文章の基本を身に着けたうえで書いていただきたいですし、読みたいです。
「パない」なんてアホな言葉を使った小説なんて読みたくない。
作家を目指す人に限らず、文章を書くことを自負しておられる人にはぜひ読んでいただきたいですね。
ラベル:書評・作家
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2019年08月05日

「日本の朝ごはん 食材紀行」向笠千恵子

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朝ごはんからこの国が見えるという著者。
たしかに1日3食のうち朝食がいちばん日本の食事、家庭の食事という気がしますね。
最近はパン食の家庭も多いでしょうが、やはり日本の朝食としてイメージするのはごはんに味噌汁、漬物、干物、納豆、海苔などといった内容でしょう。
この本では朝食に使われる食材や調味料の生産者を全国訪ね歩き、また実際に生産者たちの朝食も取材しておられます。
もちろんその生産者たちというのもただそれらの食材を作ってますというような人たちではなく、本物の食材、昔ながらの調理法にこだわった生産者たちです。
朝食というのは昼食や夕食よりも料理はシンプルですから、なにより素材の良さがストレートに現れます。
美味しいというのは当然のこと、安全性というのも非常に重要です。
無農薬だったり添加物は一切使わなかったり。
これがなかなか大変なことなのですが、しかし頑なにそれを作り続けている生産者がいらっしゃるのですね。
誰もが手に入れられるというものではありませんが、できればこのような食材を使った食事をしたいものです。
ラベル:グルメ本
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2019年07月02日

「コンビニ人間」村田沙耶香

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古倉恵子36歳。
大学生の頃からコンビニでバイトを始めて18年。
就職もせず結婚もせず、ひたすらコンビニでバイトをしてきました。
コンビニの仕事に生きがいすら感じています。
そんなある日、白羽という理屈だけはいっちょ前な男がバイトで入ってきて・・・・。
コンビニという舞台がいかにも現代です。
そしてコンビニ店員というとマニュアル通りの接客というイメージがありますよね。
主人公はまさしく典型的なそれで、食事さえもひたすらコンビニの商品です。
そんな生活になんの抵抗も不満もなく、むしろ満足さえしています。
フリーターなんて言葉はもう古いですけど、そうやって就職もせずバイトで生計を立てている人、マニュアルにはまったような人を皮肉っているのかといえば、そうでもありません。
主人公はある意味プロです。
コンビニバイトのプロ。
それ以外の世界では社会不適格者ともいえるのですが、コンビニの仕事においては抜群に能力を発揮します。
淡々とコンビニの仕事に邁進するこの主人公の人生観とはいったいなんなのか。
白羽という異物とぶつかったとき、恵子はどのような対応をするのか。
かなりデフォルメはされていますけど、こういう若い人、現実にいそうです。
そう考えますと「コンビニ人間」というタイトルは強烈ではありますが、実はサラリーマンにもごく普通にいるような気がしますね。
ラベル:小説
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