2014年03月11日

「豆腐道」嵯峨豆腐『森嘉』五代目 森井源一

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京都の老舗豆腐店「森嘉」。

川端康成の「古都」にも店の名が出てくるそうで。

その店の五代目が自身について、豆腐について、店について語っておられます。

やはり職人ですね。

設備をオートメーション化して生産性を優先させるというようなことをせず、敢えて石臼なんかを使っておられる。

水も地下水です。

かといって頑なに昔ながらの作り方にこだわっているのかというとそうでもなく、「にがり」ではなく「硫酸カルシウム」を使っておられます。

理由は、そのほうが美味しいと思うから。

なるほど。

最近はどのジャンルの店も個人店が無くなってきました。

肉屋さん、魚屋さん、八百屋さん・・・・。

そして豆腐屋さんも。

このような手作りの個人店にはぜひ頑張ってもらいたいですね。

ラベル:グルメ本
posted by たろちゃん at 03:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 『も』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年01月22日

「王様は裸だと言った子供はその後どうなったか」森達也

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世界中で知られている物語を著者がパロディーにして現代社会の風刺とした物語15話。

表題作の「裸の王様」を始めとして、「桃太郎」や「泣いた赤鬼」といった日本の話、「赤ずきんちゃん」、「みにくいあひるのこ」といったグリムやアンデルセンの話もあります。

それぞれの話を紹介しつつ、途中で著者が話を現代風に改ざんして現代社会を皮肉っているのですが・・・・。

う~ん、試みは面白いと思うんですけどね。

でも私は著者(文中ではすべてご自身のことを作者と名乗っておられます。でもこれは“作者”というのとはちょっと違うんじゃないですかね。紹介している作品の作者とまぎらわしく混乱しました)の悪ノリが鼻につきました。

なにを狙ってんだか、という気がしまして。

パロディならパロディでそれぞれをベースにしたオリジナルな話を作ればいい。

物語を分析するならするで、いちびらずにしっかりと現代社会に照らし合わせればいい。

話のあげ足を取っていちびりながら著者の思想を介入させるというのがどうも馴染めませんでした。

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2013年06月23日

「津軽百年食堂」森沢明夫

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明治時代の津軽から物語は始まります。

屋台から出発して食堂を開店することになった賢治。

津軽蕎麦の店です。

それから時代は流れ、話のメインとなるのは賢治から数えて4代目にあたる陽一です。

津軽を離れ、東京でピエロの格好をしてバルーンアートのアルバイトで生計を立てている陽一は28歳。

父に頭を下げてもらって就職した中華料理屋を喧嘩して辞め、それ以来父に対して気まずい思いを持っています。

そんな陽一に同郷の七海というフォトグラファー志望の彼女ができます。

父の交通事故による怪我で帰省した陽一は食堂を継ぐことを考えるのですが、そうなると東京でフォトグラファーになることを夢見ている七海とは一緒にいられません。

老いた父、食堂の跡継ぎ、七海との将来。

いまだにフリーターのような自分。

陽一は悩みながらどのような道を選ぶのか・・・・。

とても素朴で純粋で、心温まる物語です。

章ごとに複数の登場人物の一人称で書かれているのですが、時の流れの縦軸はいいとしても現在の横軸はちょっと散漫になったかなという印象。

でもそれはそれで主人公1人の一人称では書けない心理も書けたりするわけですが。

ただ最後はやはり陽一の一人称で締めてほしかったなぁ。

曽祖母、母の目線が続いてそれで終わり。

メインの陽一の印象が薄くなってしまいました。

しかし読み終わって「ああ、いい小説だったな」という満足感はありました。

ラベル:小説
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2013年06月02日

「風に舞いあがるビニールシート」森絵都

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短編集です。

『お金よりも大切な何かのために懸命に生きる人々を描いた6編』とのこと。

表題作の「風に舞いあがるビニールシート」では難民を支援する国連機関で働く男女の話です。

里佳は国連難民高等弁務官事務所に就職します。

入所するときの面接官のひとりだったのがエド。

やがて二人は結婚することになるのですが、普通の家庭を求める里佳と1年のほとんどを危険な地区に出向き難民のことを考えるエドとは、生活面でも思想でもすれ違いがあります。

当然の帰結として二人は離婚するのですが・・・・。

本書には6編収録されているのですが、その6編で書かれている世界が実に多岐に渡っています。

「鐘の音」では仏像修復師なんていう世界が書かれていますし。

作者の森絵都氏はもともとは児童文学の作家。

数々の賞を受賞しておられます。

しかし一般文学でもその実力を発揮され、しかもこの幅の広さ。

その才気には舌を巻きますね。

第135回直木賞受賞は伊達ではありません。

ラベル:小説
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2013年04月26日

「AV時代 村西とおるとその時代」本橋信宏

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「アダルトビデオの帝王」という異名をとり、AV界に君臨した村西とおる監督。

そんな村西と裏本時代から一緒に仕事をしてきた著者。

村西がAVメーカーを立ち上げ、頂点に上り詰め、そして莫大な借金を抱えて崩壊していく様を、身近で見てきた著者だからこそ書けた渾身の一冊です。

村西監督といえばやはりあの独特なトークですよね。

この本を読んでいますと普段からもあのような敬語調を混じえてしゃべっておられるようで?

最初は監督だけだったのがカメラマンもやり、自ら男優となって作品に登場するようになり、例のトークでブレイク。

一時期はお笑い芸人たちも真似ていました。

そしてなんといっても顔面シャワーでしょう。(笑)

これは偶然のアクシデントから生まれたようですが、AVファンに受けたんですね。

いまや定番のジャンルにさえなっています。

どんどんと業績を伸ばし、黒木香を始めとして、卑弥呼や松坂季実子、桜樹ルイ、沙羅樹、田中露央沙、乃木真梨子、野坂なつみ、などなど、錚々たる専属女優を抱えるまでになります。

そしてそのあとに訪れる凋落。

克明な著者の記録と構成はもちろん評価しなければなりませんが、やはり村西とおるというキャラですね。

彼のキャラでこの本は成り立っています。

500ページほどありますが、面白くて一気に読んでしまいました。

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