2014年11月28日

「にくいあんちくしょう 異端カリスマ列伝」本橋信宏

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異端と呼ばれるようないろんな人たちが世の中にはいるわけで。

とんでもない事件を起こしたりパフォーマンスをやらかしたり。

そんな人たちを取材したノンフィクションです。

登場する人物は17人。

まずこの著者といえばやはり村西とおるでしょう。

著者の人生ににいちばん大きな影響を与えた異端児ではないでしょうか。

そうなると黒木香も出てきます。

他にはテリー伊東や梶原一騎、北公次。

宅八郎、蛭子能収、田中康夫

まさしく異端ということでは杉本治夫、佐川一政でしょうか。

杉本氏は取り立ての追い込みや腎臓売買で財を成し、札束をばらまくパフォーマンスで有名でした。

レポーターのミッキー安川氏やフジテレビの須田アナが煽ってましたね。(笑)

私は豚のレバーをビーカーに入れて見せびらかすというのは知らなかったのですが。

佐川氏はパリ人肉食殺人事件の人です。

パリ留学中に恋人のオランダ人留学生を殺害し、その肉を食べたと。

これもずいぶんと話題になりました。

それにしても見事にいろんな異端の人を取り上げておられます。

章によっては枚数が少なく、ちょっと突っ込みが浅く物足りないのもありますが。

宅八郎なんてもっと欲しかったなぁ。

しかし著者ならではの立ち位置で書かれたいいノンフィクションだと思います。

posted by たろちゃん at 06:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 『も』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年11月12日

「江利子と絶対 本谷有希子文学大全集」本谷有希子

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表題のデビュー作を含む3編収録。

主人公の家に居候する妹江利子は引きこもりです。

ある日ニュースで地元の電車が大事故を起こしているのを見、なぜか前向きに生きることを決心します。

そして拾ってきた犬に絶対に自分の味方になるよう“絶対”と名付け飼い始めます。

2ヶ月ぶりに姉と“絶対”と出かけることになり電車に乗るのですが、事故現場を見た帰りに車内でヤンキーのバカップルと遭遇し・・・・。

「生垣の女」は男にふられて頭がちょっとイッてしまっている女に関わってしまう男の話。

ドタバタ調です。

最後の「暗狩」はホラー。

「江利子と絶対」は青春もの(?)、「生垣の女」はコメディ、そしてこれはシリアスです。

この本の3分の2のページを占めていますので読み応えとしてはこれがいちばん。

しっかりと怖いです。

サブタイトルに「文学大全集」と謳っているだけあって(笑)、バラエティに富んだ内容です。

どれもなかなかいいじゃないですか。

初めて読んだ作家ですが、どのジャンルもいいと思います。

すでにいろんな文学賞の候補になり受賞もしておられるわけですが、他の作品はまだ未読。

この作品集を読んだ限りではやはり表題作の感性がいちばんいいのかな。

ただどの作品にも心の傷のようなものはありますね。

今後、順を追って読んでいきたい作家さんです。

ラベル:小説
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2014年06月27日

「ノンセクシュアル」森奈津子

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小説家の詠子はバイセクシュアルです。

男性も女性もいけるというやつですね。

透と秀美という恋人がいたのですが、どちらとも別れることになります。

しかし透は詠子に未練があり、自宅の前で待ち伏せして無理やり車に押し込もうとします。

それを救ったのが通りすがりの絵里花。

お嬢様風の美しい外見に詠子は惹かれ、友達としての付き合いが始まります。

詠子はもちろん体のお付き合いもOKなのですが、絵里花はそのようなものを異様に嫌う潔癖なノンセクシュアル。

男にも女にも興味がなく、恋愛感情を持たない人物なのです。

詠子にもそのような潔癖さを求め、だんだんと関わりが常軌を逸してきます・・・・。

ホラーにも心霊現象やらゾンビやらスプラッタやらいろいろとありますが、これはルナティックホラーです。

日常生活が精神異常者によって侵されていくという類ですね。

リアリティということではこれがいちばんでしょう。

ゾンビなんてのは完全にフィクションとしてうっちゃれますからね。

ちょっとアブナイ人物というのは現実に存在しますし、ストーカーなんてまさにその類です。

最近はそれがエスカレートした殺人事件なんてのもしょっちゅうです。

この作品も怖い話ではあるのですが、主人公のキャラが非常に軽い。

これがなんとも緊迫感の中に脱力系な味を効かせています。

なので詠子がかなりのところまで追い込まれるのですが、読後感はさほど重くありません。

夕子という詠子の友人がとぼけた味わいでその手伝いをしています。

しかしこのようなルナティックホラー、相手は男性よりも女性のほうが恐怖感が増します。

やはり女は怖いということでよろしいでしょうか。(笑)

ラベル:小説
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2014年04月28日

「きつねのはなし」森見登美彦

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短編4編収録。

連作というわけではありませんが、同じ人物が出てきたりもします。

表題作は芳蓮堂という京都の古道具屋でアルバイトをしている大学生の話。

古道具屋主人のナツメさんから風呂敷に包まれた品を渡され、天城さんの屋敷に届けた私。

それから何度も通ううちに天城さんの見えない糸に絡み取られたようになり、財布に入れていた彼女の写真をつい天城さんに渡してしまいます。

その後彼女の行方がわからなくなり・・・・。

シュールで黒くてちょっと耽美的で。

伝奇小説的でもあり。

収録されている作品すべてそのような雰囲気です。

心の隙を衝いてくる怖さのようなものがありますね。

ただどれもはっきりとした話の辻褄といいますか、納得できる説明や着地点があるわけではありません。

そのような話なのだと受け入れるしかないでしょう。

京都という舞台がいいんでしょうね。

これが大阪だとこの雰囲気は出てきません。(笑)

ラベル:小説
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2014年03月11日

「豆腐道」嵯峨豆腐『森嘉』五代目 森井源一

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京都の老舗豆腐店「森嘉」。

川端康成の「古都」にも店の名が出てくるそうで。

その店の五代目が自身について、豆腐について、店について語っておられます。

やはり職人ですね。

設備をオートメーション化して生産性を優先させるというようなことをせず、敢えて石臼なんかを使っておられる。

水も地下水です。

かといって頑なに昔ながらの作り方にこだわっているのかというとそうでもなく、「にがり」ではなく「硫酸カルシウム」を使っておられます。

理由は、そのほうが美味しいと思うから。

なるほど。

最近はどのジャンルの店も個人店が無くなってきました。

肉屋さん、魚屋さん、八百屋さん・・・・。

そして豆腐屋さんも。

このような手作りの個人店にはぜひ頑張ってもらいたいですね。

ラベル:グルメ本
posted by たろちゃん at 03:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 『も』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする