2017年07月25日

「食堂つばめ2 明日へのピクニック」矢崎存美

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生と死のあいだにある街。
そこには「食堂つばめ」があります。
街にやって来る人たちのために「食堂つばめ」の料理人ノエはどんな料理でもリクエストに応えます。
思い出の料理を食べてもらって元の世界に戻ってもらうために。
妻のオリジナルレシピの肉じゃが、大好きな料理がいっぱい詰まったランチバスケット、プロポーズを決心した日に食べて失敗したマカロニグラタン、おばあちゃんの揚げ餅・・・・。
シリーズ第2弾です。
ちょっとパワーダウンしたといいますか、早くもマンネリ感が。
1話読み切り形式なのですが、それぞれの登場人物に思い出のエピソードを持たせそれにまつわる料理を提供するという内容。
そして登場人物たちはそれを食べてもう一度生き返ることに前向きになる。
ただこれからもひたすらこのパターンを読ませられるとしたらちょっとつらいですね。
どんな料理が出てくるのか、それにまつわるどのようなエピソードがあるのかという楽しみはありますけど。
しかし毎回ゲストのエピソードと料理だけでは飽きてしまいます。
少しずつでも話といいますか、主人公たちに進歩がありませんと。
物語全体が動いていってほしいですね。
ということで、今後の展開に期待したいと思います。
ラベル:小説 グルメ本
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2017年02月25日

「群青の夜の羽毛布」山本文緒

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さとる(女性)は母と妹との3人暮らし。
大学在学中に体調を崩し中退して4年。
24歳になりますが現在は家事手伝いです。
教師をしている母はとても厳しく絶対服従。
門限も夜の10時。
やがてさとるは近所のスーパーで働く大学生の鉄男と付き合い始めます。
鉄男はさとるに夢中なのですが、どうも神経症的なさとるの言動にとまどいを感じます。
どうやら母親の管理が厳しすぎ、自分を押し殺しているように思えるのです。
そんな息苦しい家庭がさとるをだんだんと追いつめていき、鉄男との付き合いにも影響を及ぼしてきます。
さとるの家庭とはいったい・・・・。
怖い小説ですね。
冒頭と所々にモノローグが挿入されるのですが、最初はこれがなんのことかいまいちわからない。
しかし読み進むにつれ、ちょっと異様な事態を感じます。
そしてさとるの人生、恋愛、そういったものが母親により抑圧され、精神的な崩壊に近づいていくんですね。
この怖さは「恋愛中毒」に通じるものがあります。
精神的に追い詰められる怖さ。
こういう小説もまた山本文緒の上手さだなと思います。
ラベル:小説
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2016年12月07日

「天然ブスと人工美人 どちらを選びますか?」山中登志子

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さて、タイトルの質問をされたときに男性たちはどちらを選ぶのか。
著者が周りの男性たちに質問したところ、なかなかはっきりとした答えは返ってこなかったようで。
でも単純に美人かブスかといえば当然美人がいいに決まっています。
ただ『人工』というところが引っかかってくるわけで。
もちろん付き合う女性の基準はそれだけで決まるわけではなく、性格とか価値観とか様々な要素が関わってきますけども。
ですが美人に越したことはないでしょう。
この本では7章にわけていろんな角度から美人&ブスについて検証しています。
第1章、「美人論&ブス論」書き手の顔
第2章、美の格差社会 ― 私的「美人論&ブス論」
第3章、顔が変わった女たち
第4章、顔とからだにメス ― 美容整形
第5章、フェチが「外見オンチ」を救う
第6章、見た目とセックス
第7章、顔の履歴書
美人論&ブス論を書いている人たちはどういう“立ち位置”なのか。
両者は社会的にはどうなのか。
顔が変わることにより自分はどのように変わるのか。
美容整形の実態は。
好みは人それぞれだし顔にこだわらない人もいる。
どんな外見の相手とでもセックスはできるのか。
病気で顔が変わってしまった著者の“履歴”は。
ざっくりとそのような内容です。
著者は『アクロメガリー(先端巨大症)』という病気のため、16歳の頃から顔が変わってしまったとのこと。
いわゆるブスの範疇に入るのでしょう、なのでこのような本を書くことになったともいえます。
ちなみに著者はブスのことを『外見オンチ』と表現しておられます。
ストレートな表現を避けてのことなのか、私的には読んでいてどうもこの言葉がしっくりときませんでした。
やはり『ブス』か『不美人』が適当だと。
でもいずれ『ブス』という言葉は差別用語になるかもしれませんね。
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2016年12月05日

「ザ・ベストテン」山田修爾

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70年代後半から80年代後半にかけて、「ザ・ベストテン」という歌番組がありました。
歌番組の全盛時代です。
木曜日午後9時放送開始のこの番組を毎週楽しみに観ていたのは、現在40代後半以上の世代でしょうね。
とにかく画期的な番組でした。
基本、ベストテンに入った歌手に出演してもらいスタジオで歌ってもらうわけですが、生放送なのでなかなかそうはいきません。
スケジュールが合わない人もいれば出演拒否する人もいます。
スタジオに来られない人には、その人のスケジュールに合わせてカメラが追いかけていきます。
松田聖子の飛行機の到着に合わせて空港で歌ってもらったり。
桜田淳子のスケジュールに合わせ、ニューヨークから音楽番組初の衛星生中継をしてみたり。
この本では紹介されていませんけども、伊藤敏博がまだ国鉄(現JR)の車掌をしていたときに、駅から中継したなんてのもありましたね。
出演できない人がいた場合には、司会の久米宏と黒柳徹子がひたすらお詫びしたりして。
このなにが起こるかわからないライブ感が受けたんでしょうね。
視聴率も全盛期には35%~40%をキープ。
すごいことです。
この本の著者はそんな怪物番組の元プロデューサー。
いろんな歌手やエピソードが紹介されており、毎週「ザ・ベストテン」を観ていた世代には懐かしい一冊です。
ラベル:エッセイ
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2016年11月05日

「ウイスキー粋人列伝」矢島裕紀彦

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国産の本格ウイスキーづくりが始まって90年。(この本は2013年出版)
それに合わせたのでしょうか、古今90人の著名人たちのウイスキーにまつわるエピソードが収録されています。
第一章では揺籃期として吉田茂、鳥井信治郎、古今亭志ん生、江戸川乱歩、朝永振一郎など。
第二章は発展期。
黒澤明、吉田健一、田中角栄、升田幸三、池波正太郎など、
第三章は爛漫期です。
開高健赤塚不二夫中上健次、桑田真澄、山崎まさよしなど。
とても幅広い人選ですね。
それぞれに独自のこだわり、思い入れ、飲み方があるものです。
しかしサントリーの創業者である鳥井信治郎は当然として、マッサンこと竹鶴政孝の名前が見当たらないのはどうしたことでしょう。
実質的には鳥井よりも竹鶴が国産ウイスキーの父ですからね。
毎晩ボトル1本を空けていたということで、飲むほうのエピソードにも事欠かないはず。
画竜点睛を欠くです。
ま、それを言い出しましたらあの人はなぜとかこの人はなんでとか収拾付かなくなりますけどね。
ぜひウイスキーのグラスを傾けながら読みたい一冊です。
ラベル:グルメ本
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