2019年08月09日

「少女地獄」夢野久作

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美少女の姫草ユリ子はすべての患者から愛される看護婦です。
しかし病的なほどの虚言癖があります。
嘘をごまかすために嘘をつき、さらにそれがバレそうになると重ねて嘘をつく。
しかしそれが自らを追い込むことになってしまいます。
残された道は自殺しかありません・・・・。
表題作他3編収録。
この「少女地獄」がまた3編の短編で成り立っています。
しかしただ章が変わるだけかのように次の短編に移るので、読んでいて「ん???」と戸惑ってしまいました。
原稿自体がこのような構成なのかもしれませんが、もうちょっと編集でわかりやすくしてくれませんかねぇ。
内容はおどろおどろしいタイトルの割にはさほど・・・・という印象。
むしろ退屈でしたね。
ラベル:小説
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2019年07月22日

「グッドバイ・ママ」柳美里

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ゆみは幼稚園に通う男児の母親です。
夫は単身赴任中で息子との二人暮らし。
毎日せっせと息子を幼稚園に送り迎えしていますが、ゆみは幼稚園の経営方針に不満があり険悪状態。
そのせいか息子もうまく馴染んでいないようです。
住んでいる団地の自治会ともごみの出し方で揉め、福島原発の放射能漏れの影響が気になり、夫が浮気しているようだと疑心暗鬼になり・・・・。
なんだか周りはすべて敵といった感じで、ほぼノイローゼ状態ですね。
しかし視線はゆみという主人公なので、客観的ではありますが読んでいるこちらもゆみ目線になります。
そう考えるとたしかに世の中「そうだそうだ」と頷く部分もありますが。
実際ここまでではなくてもこのような言動をしている人は大勢います。
夫婦や親子といった家庭問題、育児、近隣とのコミュニケーション、健康問題、あらゆる問題がこの小説には詰まっています。
最後は・・・・ちょっと救いがないですね。
辛すぎます。
ラベル:小説
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2018年12月17日

「Cボーイ・すくらんぶる」唯川恵

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岡村菜奈18歳。
無事高校を卒業して短大進学も決まり、この春から親元を離れて金沢での寮生活が始まります。
カントリーボーイに辟易している菜奈は、ぜひとも金沢での生活で素敵なシティーボーイの恋人を見つけるんだと意気込みます。
しかし金沢に旅立つ前日、幼馴染みの涼太に呼び出され、結婚してほしいとプロポーズを受けます。
それだけならまだしも強引に大事なファーストキッスを奪われて。
好きでもない涼太にそのようなことをされ、平手打ちしてその場を去った菜奈。
寮生活が始まったものの、同じ大学に進学し寮も一緒な幼稚園からのライバルである日野杏子がなにかと目障りです。
杏子には幼稚園時代に好きな男の子を奪われた経験があるのです。
そして新入寮生歓迎コンパでその男の子こと智彦君と偶然再会した2人。
火花が散ります。
さて、菜奈の恋愛や大学生活は・・・・。
直木賞作家・唯川恵のコバルト時代の作品です。
発行は昭和60年。
30年以上も前ですね。
タイトルの「Cボーイ」というのはカントリーボーイとシティーボーイを引っかけているのですが、いまや死語。(笑)
雑誌「POPEYE」の時代ですよね。
そして「すくらんぶる」とひらがなで表記しているあたりも時代を感じさせて小っ恥ずかしいものがあります。
今になってそれをツッコんでもどうしようもないし作者もおそらく赤面するでしょうからともかくとしまして。
内容も今からすれば幼いといいますか純粋といいますか。
ファーストキスがどうとか、コンパでドキドキという世界です。
でも今のスレたティーンズラブ小説からすればこれが実に初々しく懐かしい。(笑)
恋愛については時代と共に男女間のハードルというのはもちろん大きく変わりましたけども、精神的な根本の部分では変わってないんじゃないかという気がします。
ただ昔は10段階だったのが今は1段階2段階で済んでしまっているというのはありますね。
なのでこのような10段の階段の1段目のようなティーンズ小説は時代錯誤かもしれませんが、だからこそもう一度読まれなおしてほしいという気もします。
ラベル:小説
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2017年12月26日

「オンエア(上・下)」柳美里

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3人の女子アナを描いた小説です。
藤崎あゆみは26歳。
〈ニュースEYE〉のサブキャスターです。
同番組のプロデューサーと不倫の関係です。
水沢千広32歳は同じく〈ニュースEYE〉のスポーツキャスター。
秘かに人気野球選手と付き合っています。
望月結香22歳も〈ニュースEYE〉のお天気キャスターです。
鹿児島出身で大学時代からの同郷の彼氏がいます。
それぞれテレビの前では華やかですが、裏では男関係でドロドロです。
藤崎あゆみはほとんど性奴隷状態、水沢千広は新人アナに彼氏を取られ、望月結香は別れた彼氏のリベンジポルノでスキャンダルとなり・・・・。
読む前は柳美里がなんでまた女子アナの小説なんてと思ったのですが、読んでみますとさすがだなと。
女子アナを題材にしてこんな内容は誰も書けない(書かない)でしょう。
出だしからいきなり3人の濃厚なセックスシーンですしね。
そしてその後の泥沼っぷり。
そのような状況の中から3人はどのような道を進んでいくのか・・・・。
以前にこのブログで「ルージュ」という化粧品業界を描いた作品を取り上げたとき、同じ業界を描いた林真理子の「コスメティック」という作品と比較したことがあります。
まったく違ったベクトルで、いかにもそれぞれの作家らしい内容でした。
やはり柳美里が書くと華やかなサクセスストーリーとはならないんですね。
たしか林真理子も女子アナを書いていたと思いますが、また探していずれ読んでみたいと思います。
ラベル:小説
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2016年07月16日

「ファミリー・シークレット」柳美里

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我が子に暴力を振るってしまう。

ひどいときには死に至らしめてしまう。

そのような事件をニュースで見聞することもまれではありません。

なぜ愛する子供にそのようなことをしてしまうのか。

2008年、芥川賞作家である著者が自身のブログに我が子を叩きまくったと書き、2ちゃんねるで祭りになります。

一気に話は広まり、スポーツ紙や週刊誌から取材依頼が殺到。

著者は臨床心理士のカウンセリングを受けることにし、その内容を赤裸々に綴ったのがこの本です。

自身も子供の頃親から虐待を受けており、それがトラウマになっているようですね。

それを無意識に自分の子供に「再演化」してしまう。

カウンセリングを受け、心の闇をさらけ出し、それをこのようにノンフィクションとして公表するところがこの著者らしいといいますか。

今まで書いてこられた小説がそうでしたからね。

傷口のかさぶたをひっぺがし、流れ出る血を作品にしてこられたような作家です。

以前に「仮面の国」というエッセイ集で子供を虐待する親を断罪しておられましたが、それは当然のことでしょう。

肯定する人などいないと思います。

そのときはまだ子供がおられませんでしたが、いざ自分が親になってみると我が子に対してそのようなことをしてしまったんですね。

それほどトラウマというのは根深く、子供の頃の体験というのは後の人生にも影響を与えるようです。

しかしなんだかんだとつねに言動が注目を浴びる刺激的な作家さんですね。(笑)

posted by たろちゃん at 02:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 『ゆ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする