2016年01月26日

「あの道この道」吉屋信子

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東京から程近い海辺の村で同じ日にふたりの赤ちゃんが生まれます。

ひとりは東京の実業家で金持ちの大丸家の別荘で。

もうひとりは怠け者で貧乏な漁師の龍作の家。

大丸家の夫人は日頃の弱い体が出産に耐えられず亡くなってしまいます。

大丸家の子供は千鶴子と名付けられ、やはり母乳が必要ということで同じ日に赤ちゃんを産んだお静がいる龍作の家にしばらく預けられます。

しかしそこで大丸家の娘千鶴子と漁師の家の娘しのぶが取り替えられてしまうのです。

裕福な家で育てられるはずだった娘が貧乏な漁師の子供に、貧乏な家で育てられるはずだった子供が金持ちの娘に。

ふたりの人生はどのようになるのか・・・・。

ステレオタイプだとは思います。

千鶴子は金持ちの娘らしく我儘です。

しのぶは貧しいものの美しく心の優しい娘に育ちます。

やがてこの2人に接点が訪れるところがドラマです。

真実を知るしのぶの母親であるお静の苦悩や、なにも知らないしのぶが母親や弟を思う気持ちが優しく切ない。

ベタな話ではありますが、爽やかな感動がありました。

ラベル:小説
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2015年09月29日

「今夜も残業エキストラ」吉野万理子

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就職氷河期で入社試験さえ受けさせてもらえなかった紺野美穂。

ようやく大学の先輩の会社に就職できたものの3年で倒産。

その後幸運にもキャラクタービジネスの会社に就職することができました。

大手企業の下請けとしてキャラクターグッズを作ったりそれに関連するホームページを作ったり、冊子を作ったり。

ですがいわゆる縁の下の力持ちなわけで、決して世の中の主役にはなれないエキストラです・・・・。

いわゆるお仕事小説。

今の仕事を気に入っている人いない人いろいろいると思いますが、自分が世の中の主役のように感じている人なんてほとんどいないと思いますけどね。

そういう意味ではたいがいの人がエキストラでしょう。

じゃあどういう立場が主役なのか。

やはりマスコミに登場するような人ということになるのでしょう。

こういう価値観を持っている人は多いと思います。

それは向上心であり上昇志向でもあるわけですから、決して悪いことではありません。

それだけその仕事で活躍しているという社会的な評価ですから。

私自身はまったくそのようなことに興味はありませんが(ボンクラでけっこうだと思っています 笑)、世の中で活躍している人には興味ありますし職人仕事に惹かれます。

ま、私のことはともかく。

この作品はややエタニティ文庫的なノリで一般小説としては軽いですが、若い女性が読むぶんには元気をもらえるかも。

苦労しつつも自分の仕事を認めてもらえたり、憧れの先輩と一緒に仕事をしてときめいたり。

それにしてもこういう小説って「プロジェクト」という言葉が好きですねぇ。

大きなプロジェクトに関わる自分。

キャリアウーマンに憧れる女性好みのキーワードといえましょう。(笑)

ラベル:小説
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2015年09月05日

「夜歩く」横溝正史

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屋代寅太は三文探偵小説家。

酔っぱらっている友人の仙石直記から愚痴のような話を聞かされます。

キャバレーである女が佝僂の画家を拳銃で撃つという事件がありました。

その女とは直記の妹である八千代だというのです。

画家の名前は蜂屋小市。

八千代とはなんの面識もありませんでした。

なぜ八千代は蜂屋を撃ったのか。

ところがその八千代が蜂屋と結婚するというのです。

いったい二人のあいだになにがあったのか。

それが首なし殺人事件の始まりでした・・・・。

いつものごとく探偵の金田一耕助が登場するのですが、相変わらずあまり役に立っていません。(笑)

さんざん人が殺されたあとで最後に事件のタネあかしをするだけで、犯罪の抑止力とはなっていないんですね。

もっと早く犯人を推理して犯罪を止めろよと。

ところでこの作品には最後に大きなどんでん返しが仕掛けられています。

でもこれって夢オチの変形バージョンみたいなもので、ちょっとどうかなと思ってしまいました。

たしかにこれだと読者が犯人に気付くのは困難でしょうけど。

私はどうも釈然としませんでしたね。

ラベル:小説
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2014年08月06日

「犬神家の一族」横溝正史

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暑い毎日が続きますので冷んやりしたものでも読もうと横溝正史です。

「犬神家の一族」。

信州財界の大物、犬神佐兵衛。

巨大な財を残して他界しました。

佐兵衛には腹違いの3人の娘がいます。

松子、竹子、梅子。

それぞれに息子がいます。

佐清、佐武、佐智。

娘たちの関心は佐兵衛の遺産です。

しかし遺言状には骨肉の争いを誘うかのような内容が書き記されていました。

佐兵衛の恩人であった野々宮大弐の孫娘である珠世に全財産を譲ると。

但し珠世は、佐清、佐武、佐智の3人の中から婿を選ばなければならないと。

しかし松子の息子である佐清に関しては、復員してきたものの戦争中に顔に怪我を負ったとのことで不気味なマスクを被っており、本人かどうかわかりません。

互いを牽制しあう雰囲気、そして珠世の動向。

やがて佐武が殺され、そして佐智・・・・連続殺人が始まります・・・・。

ざっくりいうとそういう内容ですが、事件を解決するのはお馴染み金田一耕助。

そして定番の連続殺人事件であります。

『斧・琴・菊』というキーワードがあるのもお約束といっていいでしょう。

んでまあ結局は犯人は誰か、そのトリックやアリバイはどうかという、古典的な推理小説です。

ラストはもちろん探偵(金田一耕助)の長演説。(笑)

水戸黄門とかが好きな人には「待ってました!」的なパターンかもしれませんが、私にとっては「はいはいはい・・・・」と。

まあこれもお約束ですのでケチつけてもなぁとは思うのですが。

でもそれはそれとして、今まで何冊か読んだ横溝作品の中ではいちばんわかりやすかったという感想です。

ただ犯人がなぁ。

無理あるんじゃないですかね。

ラベル:小説
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2014年06月09日

「セブン-イレブンおでん部会 ヒット商品開発の裏側」吉岡秀子

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『セブン-イレブン』。

日本のコンビニの元祖ですね。

私の住んでいる大阪でもあちこちで見かけるようになってきました。

大阪はやはりローソンですからね。

最近はファミリーマートの出店がすごいですけど。

さて、日本のコンビニで店舗数1位を誇る『セブン-イレブン』の商品開発の舞台裏を取材したのがこの本です。

おにぎりにしてもおでんにしても、たかがコンビニと侮ってはいけませんね。

すごいこだわりと努力があります。

おでんの出汁に使うかつお節にしても「全国の老舗のそば屋から引き合いがくる」という「近藤水産」の本枯節。

近藤社長も「コンビニさんがねえ」というほどの品を使っておられるとか。

その他サンドイッチ、カップめん、デザートなど。

今後はコンビニの食べ物も心して味わわなければと思った次第です。(笑)

ラベル:グルメ本
posted by たろちゃん at 04:19| Comment(1) | TrackBack(0) | 『よ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする