2012年04月03日

「お金をかけずに食を楽しむフランス人 お金をかけても満足できない日本人」吉村葉子

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著者はパリで20年間暮らした経験がおありです。

そんな著者が食べることをメインに書いたエッセイ集。

まさにタイトルが日本人とフランス人の考え方の違いを言い表していますね。

グルメで知られるフランス人ですが、決して日本人のようにお金にものをいわせて高級な料理を食べあさったりはしません。

星付きのレストランなんて一生行かない人も多数。

ワインにウンチクなんて垂れませんし。

安くて美味しく楽しむコツを知っているのです。

この本では主にフランスの地方の家庭料理を紹介しておられます。

プロヴァンス、ブルゴーニュ、アルザス、ノルマンディ・・・・。

これが地味ではありますが実に生活に根ざしたという感じで美味しそうなんですね。

お腹が鳴る記述もいろいろとあります。

友人の家に食事に行くと、前菜で出されたのは20センチほどある巨大なホワイトアスパラガス。

これがドンと。

そして黄色いドレッシングがたっぷり入った器がテーブルの真ん中に。

「ボン・ナペティ」の合図とともに食事開始。

これをひたすら食べる。

いいですねぇ、こんな食事。

これで冷えた白ワインをグビグビできたら。

そして楽しい会話。

「食事」を楽しむということにかけてはやはり日本人よりも彼らのほうが数枚上手のようです。

ラベル:グルメ本
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2011年09月04日

「悪魔の手毬唄」横溝正史

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岡山県と兵庫県の県境にある鬼首村。

そこで村の若い娘が奇怪な殺され方をします。

浅い滝壺で発見されたその娘は口に漏斗を突っ込まれ、その漏斗には上に置かれた枡から滝の水が注ぎ込まれています。

探偵の金田一耕助と磯川警部が事件解明に乗りだすのですが、次々と他の娘も殺されていくのです。

二人目は帯に竿秤が差し込まれ、秤の皿には作り物の大判小判をつけたマユ玉が乗せられています。

どうやら村に伝わる手毬唄の歌詞の内容に合わせた殺され方をしているようなのです。

金田一は次は錠前屋の娘が殺されるのではないかと警戒しますが、殺されたのは違う娘でした。

しかし殺された近くには錠前と鍵が落ちていたのですが。

二十年前にこの村で迷宮入りになった事件が関連しているらしく、また複雑な人間関係が事件を混沌とさせます・・・・。

横溝正史の代表作の中の一冊ですね。

前回読んだ「八つ墓村」よりはよかったと思います。

金田一耕助も存在感ありましたし。

「八つ墓村」では影が薄かったですからねぇ。(笑)

登場人物が多く人間関係が複雑なので、できれば読みながら自分で相関図を作りたいところ。

その複雑さが事件のきっかけともいえますし、作品に厚みをもたらしています。

文庫本で約500ページの長編、読み応えありました。

ラベル:小説
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2011年08月08日

「吉田電車」吉田戦車

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人気ギャグ漫画家のエッセイです。

ペンネームに引っ掛けたタイトルのシリーズ第2弾ということで、今回は電車の旅をテーマに。

伊勢神宮にお参りするため、近鉄電車に乗り伊勢に向かう吉田氏。

もちろん参拝だけではなく伊勢うどんを食べたり水族館を見学したりいったことが、ギャグ漫画家の視点でレポートされます。

厄払いのために佐野厄除大師に仲間とぞろぞろ出かけたり。

どれも著者のさりげない日常なのですが、思わず笑ってしまうのはさすがにギャグ漫画家としてのセンスでしょうか。

ラベル:エッセイ
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2011年06月05日

「インシテミル」米澤穂信

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時給112,000円がもらえるという求人誌やインターネットの募集広告を見て、応募してきて選ばれた十二人の人たち。

男性も女性もいます。

彼らが連れていかれたのは「暗鬼館」という地下の施設でした。

ここで二十四時間監視され、一週間を過ごすというものです。

しかしただ過ごせばいいというわけではなく、殺し合いを示唆するような条件が添えられていました。

集まった連中もだからといって殺し合いを始めるような非常識ではありません。

おとなしく一週間を乗り切ろうとなります。

しかしメンバーの一人が何者かに殺されたことにより、疑心暗鬼が一気に拡がりはじめます。

犯人は誰なのか、次は自分が殺されるのではないのか。

閉鎖された密室のような状況で次々と人が死んでいく。

疑心暗鬼はつのっていきます・・・・。

もちろん思い浮かべるのはアガサ・クリスティの「そして誰もいなくなった」ですよね。

その作品へのオマージュでもあるのでしょうか。

それぞれ一人ひとりに人を殺すための道具が与えられるのですが、それも過去のミステリーにちなんだメモが添えられています。

ミステリー好きにとってはそれなりに楽しめる作品なのかもしれません。

それぞれの人物が死んでいく理由についてはちょっとこじつけがましい気もしますが。

ラストもやや中途半端に感じました。

ちなみにタイトルの「インシテミル」というのは「inしてみる」だと思っていたのですが、「淫してみる」だったのですね。

ラベル:小説
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2011年03月14日

「豊饒のナイル、ルクソールの食卓 エジプトグルメ紀行」吉村作治

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テレビでもお馴染みの「古代エジプト」研究家の吉村作治氏。

そんな立場とご経験からグルメ紀行を書かれました。

昨今、日本は当然のこととして、フランスやイタリア、中国などグルメな話題には事欠きません。

食通を自認する人たちは大勢いらっしゃいまして、それらの国のグルメ情報に関しては我こそはとウンチクを披露なさっておられます。

しかしエジプトの食についてはなかなかそのような人はおられませんし、接することがありませんよね。

このジャンルについて語れるのはやはり吉村氏でしょう。(笑)

なるほど、ご経験に基づいていろんなエジプトの食文化をご紹介なさっておられるのですが、私が感じたのは「食いしん坊」ではないなということ。

羊肉が好きではないとおっしゃいます。

カエルの肉を敬遠されます。

それってどうなの、と思うんですよね。

もちろん個人の嗜好ですからそれはしょうがないのですが、一応グルメ紀行と名乗った本なのですからそんな一般的な嗜好で語られても、と思うのです。

やはり読む側としては、どんどんいろんな食材を興味津々積極的に食べまくるというような内容のほうが読んでいて痛快です。

例えば小泉武夫氏のような。

エジプトの食文化を紹介するということでは貴重な本だと思います。

ただ食べ歩きを楽しむということについては若干不満がありました。

ラベル:グルメ本
posted by たろちゃん at 05:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 『よ』の著者 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする