2017年06月19日

「オーシャントラウトと塩昆布」和久田哲也

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最近はいろんな料理人や料理研究家が毎日のようにテレビや雑誌に登場し、芸能人並みに顔を知られるようになった人も多数いらっしゃいます。
そういう意味ではこの本の著者である和久田哲也氏は、一般的にはさほど知られていないかもしれません。
ですが、アラン・デュカス、フェラン・アドリアと並んで世界3大シェフに選ばれたこともあるほどの料理人です。
1987年シドニーに「TETSUYA’S」を開店し、たちまち予約の取れないレストランに。
オーストラリアの素材に和のエッセンスを取り入れた料理で世界の食通たちを唸らせてきました。
そんな料理人が自身の経歴について、料理について存分に語っておられます・・・・。
調理師学校にも行かず、あちこちの有名店を渡り歩いて修業したわけでもなく、ほぼ独学で勉強されたというのがすごい。
著者の持って生まれた料理のセンスはもちろんでしょうが、オーストラリアという土地柄や時代も大きく味方したと思われます。
さてタイトルの「オーシャントラウトと塩昆布」ですが、なんのこっちゃと思われる人もいるでしょう。
これは著者のスペシャリテである「オーシャントラウトのコンフィ」のことです。
コンフィしたオーシャントラウトの切り身の上に細かく刻んだ塩昆布をまぶしてある料理です。
でもこの塩昆布、いったいどのような商品を使っているのかが私は気になるのですが。
店で年間数百キロの単位で使うそうなのですが、そうなるともちろん大量生産の市販品ですよね。
あの商品の旨味というのはほぼ化学調味料のおかげだと思うのですが、もしかしてそんなのを使っておられるんでしょうか。
私は別に化調に対して神経質になる者ではありませんし、大衆店ならそりゃ使うだろうなと容認しています。
しかしさすがにこのクラスのレストランでそういうのを使っているのだとしたら、ちょっとそれは違うんじゃないんかと思うんですけどね。
もちろんそのような一般的なものを使っているのではないと思いたいですが。
それはそれとしまして、著者の料理や経営に対してのはっきりとした考えを知ることができるいい一冊でした。
ラベル:グルメ本
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2017年05月14日

「おとぎ菓子 料理人季蔵捕物控」和田はつ子

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シリーズ第7弾です。
表題作は第四話の「おとぎ菓子」。
といってもその前の第三話「あけぼの薬膳」の続きなんですけどね。
わざわざ別のタイトルを付けてまで話をわける意味がわかりません。
無理やり一冊四話にしなくても。
結局「あけぼの薬膳」が中途半端なまま「おとぎ菓子」になってしまってますし。
なので読んでいてどうも収まりが悪い。
第一話の「春卵」にしてもそう。
煎り酒がどうのこうの、卵かけ飯がどうのこうの、結局最後に作ったのは茶巾卵。
おい、“春卵”はどうなった・・・・。
相変わらずやたらと人が死にますし。
料理を扱う小説にそういう血なまぐさいネタはどうなのかと。
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2016年04月07日

「無花果日誌」若合春侑

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桐子はカトリックの女子校に通う高校2年生です。

母を亡くし父と弟と暮らす実家は八百屋。

近所には港湾があり、昔は東洋一といわれたらしい魚市場を中心に、冷凍工場や倉庫、乾物問屋、ガソリンスタンドなどがあります。

そんな淀んだ海の水と死んだ魚と野菜とガソリンと排気ガスが交ざりあった生々しい臭いの中で育った桐子ですが、下劣な町を捨てて生きる環境を変えねばと県内でいちばんのお嬢様学校に入学した次第。

上品ぶった性格の悪い同級生や修道女の先生たちとの学校生活ですが、校外で郁クンという彼氏と逢うのがすごく楽しみでもあります・・・・。

前回読んだこの作者の作品がデビュー作の「腦病院へまゐります。」

今回はえらいまた違った作風で。(笑)

こちらはけっこうストレートな青春小説です。

思春期のいろんなエピソードを散りばめています。

恋愛はもちろん、初めてのセックスの描写もあります。

学校では友人の妊娠、自殺なども。

家庭では母との死別なんかありますしね。

いろいろ盛りだくさんなのですが、でも読み終えて「ああ、そうでしたか。いろいろあって大変でしたね」という感想しかありません。

庶民である八百屋の娘がお嬢様学校に入学してどうのこうのという設定はベタなコメディ小説のようですし、初体験、妊娠、自殺なんてのもやはりベタ。

でも悪い意味ではなく“たかが女子高生の青春の1ページ”なんてこんなものでいいのかもしれません。

なんだかんだありつつも最後はやはり彼氏ですしね。(笑)

ラベル:小説
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2016年01月20日

「時そば 料理人季蔵捕物控」和田はつ子

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シリーズ第6弾。

今回は表題作の他、「目黒のさんま」、「まんじゅう怖い」、「蛸芝居」と落語を題材にしています。

元噺家で今は廻船問屋の主である長崎屋五平が毎月噺の会を行なうということで、噺に出てくる食べ物で料理を作ってほしいと季蔵に依頼するのです。

季蔵はそれぞれの話に合わせてどのような料理を作るのか・・・・。

と同時に、やはりなんだかんだと事件が起こります。

黄泉山日之助という胡散臭い祈祷師と中西屋という呉服問屋が手を組んで動いているようなのですが・・・・。

いつも情けないほどレベルの低いこのシリーズですが、今まで読んできた中では今回がいちばんましだったかも。

それでも決して出来がいいとはいえませんが。

ふと気になったのはこの時代に「時そば」やその他の噺があったのかということ。

調べてみますと「時そば」は享保11年の笑話本「軽口初笑」の「他人は喰より」が元であり、明治時代に3代目柳家小さんが上方落語の「時うどん」を江戸話に置き換えたという説があります。

だとしたらこの小説の時代に「時そば」なんて噺はなかったことになります。

つまり時代考証がでたらめだということで・・・・。(笑)

江戸時代を背景にした古典落語といっても作られたのは明治時代以降というのも多いですしね。

ま、実際のところはどうなのか私にはわかりませんけども。

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2015年02月26日

「お宝食積 料理人季蔵捕物控」和田はつ子

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シリーズ第4弾です。

先に第5弾を読んでしまったのですが差し支えはありません。

いつも代わり映えしない話ですし。

相変わらず人が殺されます。

いやはや。

表題作は「お宝食積」。

正月の飾り物である食積に客が真珠を隠すとかいう話です。

・・・・。

ひどいのは最後の「精進切り」。

ラストはギャグとしか思えません。

これ作者が真剣に書いたんでしょうか。

ぷぷぷっと笑いながら書いたのではないかと思えるのですが。

だってこんな話をまじめに書いたのだとしたらあり得ないです。

それを通した編集者も。

ここまでレベルの低い作品を連発されると、これは確信犯なのかと思ってしまいます。

きっとそうですよね。

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