今月は14冊読むことができました。
小説が6冊、エッセイ・ノンフィクションが8冊。
小説をもっと多く読みたいのですが、電車の中でしか読みませんのでこのあたりが限度ですかね。
エッセイ・ノンフィクションは酒を飲みながらというのが多い。
飲み屋にひとり出かけ、酒と読書という世界に浸ります。
自宅ではほとんど読書しません。
つまり外で飲みながら読む時間が多いということなのでしょう。(笑)
それはともかく今月読んだのは以下の作品。
・「トンデモ本の世界」と学会・編
・「フランス料理を料理する 文明の交差点としてのフランス料理」湯浅赳男
・「解錠師」スティーヴ・ハミルトン
・「ちょっと今から仕事やめてくる」北川恵海
・「食の地平線」玉村豊男
・「せきれい」庄野潤三
・「聖の青春」大崎善生
・「柴田さんと高橋さんの小説の読み方、書き方、訳し方」柴田元幸 高橋源一郎
・「ホルモン奉行」角岡信彦
・「芸術は爆発だ! 岡本太郎痛快語録」岡本敏子 編著
・「寵児」津島佑子
・「行きつけの店」山口瞳
・「壁」安部公房
・「ランチのアッコちゃん」柚木麻子
「トンデモ本の世界」、ほんと独自の世界で日々を過ごしておられる方が多いのだなと思います。
その人にとってはそれが真実であり現実なのだなと。
「フランス料理を料理する 文明の交差点としてのフランス料理」、これはこれで貴重なフランス料理についての考察だと思います。
ですが著者はいったいなにをしたかったのかなという読後感です。
「解錠師」、う~ん、こんなのでいいんでしょうか。
金庫破りなどの解錠を生業とする主人公の心の鍵を開けるのはヒロイン? そりゃどうも。
「ちょっと今から仕事やめてくる」、私的には主人公とヤマモトの付き合いが気持ち悪い。
この作者、今後どのような作品を書くのでしょう。
「食の地平線」、ある意味重箱の隅をつつくような食エッセイ。
雑学的なところが肩の力抜けていいんじゃないでしょうか。
「せきれい」、老人(作者)の日々を綴った小説。
小説というよりもエッセイだと思いますが、地味な中に清々しい内容です。
「聖の青春」、難病を抱えながらも将棋に人生をかけた青年のノンフィクション。
これはもうさすが著者ならではの一冊だと思います。
「柴田さんと高橋さんの小説の読み方、書き方、訳し方」、タイトルにあるように、小説の読み方、書き方、訳し方、これってどうなのよと。
それに興味ある人はぜひぜひ読むべきだと思います。
「ホルモン奉行」、焼肉において今やホルモンは人気です。
被差別部落出身である著者のホルモンに対しての熱い思い入れを読め!
「芸術は爆発だ! 岡本太郎痛快語録」、著者はずっと岡本の秘書を務めてこられました。
そんな立場から岡本太郎という芸術家を紹介しておられます。
「寵児」、娘のことよりも、世間体よりも、今新しくお腹の中に宿った子供を産もうという決意。
女の執念のようなものを感じます。
「行きつけの店」、近所にお気に入りの店を数軒見つけ、ひたすら通う。
ネットでも食べ歩き自慢が跋扈する昨今、そんな風潮に背を向けて読みたい一冊です。
「壁」、カフカの「変身」を思わせるような不条理な設定。
でも私にはもひとつ楽しめませんでした。
「ランチのアッコちゃん」、タイトルにアッコちゃんというのを持ってくるのはどうなのよという感想。
内容とタイトルがそぐわない違和感を持ちました。
さて今月の一冊。
候補は「聖の青春」、「ホルモン奉行」ですね。
「聖の青春」は書物として村山聖という棋士の軌跡を残したという功績が大だと思います。
村山の純粋さ懸命さに心打たれました。
「ホルモン奉行」はホルモン好きとしては実に興味深い内容でした。
上辺だけの焼肉好きというのではなく、根本からホルモンという文化を捉えておられるように思います。
それを楽しく読ませていただいたことに感謝。
ということで今月の一冊は「ホルモン奉行」に決定。