2020年12月18日

「酒を愛する男の酒」矢口純

CIMG3742.JPG

著者は雑誌の編集者をしておられたということで、やはり作家たちとの交流が深かったようです。
というわけでタイトルの「酒を愛する男」というのは、つまりこの本に登場する人たちというのはほとんど作家です。
井伏鱒二、藤原審爾、遠藤周作、川端康成、吉行淳之介、安岡正太郎、梶山季之、伊丹十三山口瞳開高健立原正秋・・・・。
いやいや、すごい顔ぶれですね。
それぞれの作家のエピソードが語られています。
以前にも書いたことがありますが、昔の作家って酒が似合いますね。
酒というか酒場というか酒についてのエピソードというか。
現在の作家でそのような人はいませんねぇ。
北方謙三なんて声もあるかもしれませんが、あの人はバーに入って「あ、北方謙三だ」という声を聴いたら、バーテンダーに「いつもの」といってウイスキーのストレートを出させる。
それを一気飲みして「じゃあな」と店を出る。
それを見た客は「さすが。カッコイイ」となるのですが。
でもこれ実はこういうときのために用意してあるウーロン茶なんですね。
バーテンダーもグルになって演出してる。(笑)
それに私が勝手に思う酒の似合う作家というのは、ハードボイルドに出てくるようなバーじゃない。
バーはバーでもやはり文壇バーでしょうし、それよりも場末の飲み屋が似合う作家がいい。
でも昭和にあったような文壇バーなんて今はもうないでしょうし、場末の飲み屋なんてのも場末自体がない。
あっても若い作家なんてそんなとこに行かない。
なのでこのような酒を愛した作家たちのエピソードは貴重な過去の記録です。
時代が違うといえばその通りなんでしょうけど、今の作家にはない魅力がありました。
昔は作品とは別に作家本人にも個性というか魅力がありましたね。
posted by たろちゃん at 01:00
"「酒を愛する男の酒」矢口純"へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: