2020年12月24日

「からまる」千早茜

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7編の連作短編集。
第一話の「まいまい」は地方公務員の武生という青年が主人公。
ある日アパートの前でうずくまって雨宿りしている女を見て声をかけ、部屋に誘ったらついてきました。
それ以来、休みの日に鍵を開けておくと勝手に入ってきて数時間ベッドで過ごして帰っていきます。
名前もどこに住んでするのかも何をしているのかも知らない。
たまたま職場の女性を連れ込んでしまったときに彼女がやってきて、それ以来姿を見せなくなります。
ですがしばらくして意外なシチュエーションで彼女を目撃して・・・・。
この第一話に出てくる彼女は第七話「ひかりを」で主人公となって登場します。
他、武生が連れ込んだ同僚は第二話「ゆらゆらと」で。
同じく第一話に出てくる武生の上司は第三話「からまる」で、姉は第四話「あししげく」で、というようにそれぞれが主人公となり、また登場人物たちが間接的にリンクしているんですね。
連作短編によくあるパターンですが、こういうのを読むとこんな狭い範囲でそうそう繋がってるわけがないだろうと思ってしまいます。
もはやステレオタイプですね。
内容としましては何がどうと説明するのは難しいのですが、やはり人それぞれ他人(外側)からはわからないものを抱えているということでしょうか。
第一話に登場した連れ込まれた同僚の女性が第二話で主人公として一人称で語ることにより、第一話ではわからなかった内面や日常を知ることができる。
第七話で武生の部屋に通う女性の素顔が明らかになる。
第三話ではいつも穏やかな上司の家庭事情が語られる。
またかよ、と思う手法ではありますが、そういう面白さはあります。
posted by たろちゃん at 01:00
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